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建設会社での外国人技能実習生活用の難しさ。 [経営者や企業のレベルの問題]

介護の人手不足も喫緊の必要性が求められ、技能実習生の対象職種となりますが、
数年前、特に東北の震災復興、2020年の東京オリンピックの決定から、
建設業ではかなりの人手不足が言われてきました。

入札すら施工の職人不足で成立すらしない状態でした。

鳴り物入りで始まった外国人建設就労者受入事業も
大きな受入人数には至っていないようです。

QatarLabor_Conweek.jpg


建設通信新聞 [ 2015-06-08 1面]
法定福利費、人材確保、名義貸し/土木型枠で実態浮彫り
http://www.kensetsunews.com/?p=49247

外国人実習生については、24%の企業が使用しているが、
今後の雇用については半数以上が思っていないとしている。




建設業では技能実習生は、1993年から対象職種でしたが、
実際には今までも受入は多くはなかったと思います。


・・・なぜか。


それは工場系の製造業と比べると、
かなりずさんな労務管理が未だに脈々と業界常識として
実態が継続されているからです。

そして、そうなるべくしてなった背景もあるから。

これは農業にも同じことが言えますが、
明るいうちから暗くなるまでしかできない現場も多く、
雨が降ってもできないことも。

また、現場がそれぞれ違ってきます。
この現場が終わったら、今度はあちらへと。


残業代などつけていたなら、とても払えるものではありません。
計算なんかしてその分費用計算し請求したなら、
それこそ元請けから仕事がもらえません。


仕事だって、主たる業務はともかく、違う仕事も多くあります。
でも実習生は限られた必須作業、関連・周辺作業しか
させてはいけない決まりです。

一人親方に投げて、仲間内で人数を集めて一つの現場に取り掛かる。
従業員を抱えるリスクもあってか、一人親方を従業員のように抱える
会社も多いですよね。
そういった会社に、現場従業員の常勤社員などいるワケがないですね。
だとすると、技能実習指導員が一人親方(自社雇用の社員ではない)なんて、
法律も許可できません。


ちなみに、一人親方はまず労災には加入しません。
一本どっこは下手すると青色申告すらしないことでしょう。
ニコニコ現金払いなら余計に申告する証拠すらないのですから。



技能実習生制度は、特にコンプライアンスにはうるさいです。
これは労務管理にも非常にうるさいです。

労働基準法でいう三帳簿と言われる、労働者名簿、賃金台帳、出勤簿。

何時間かかろうが、日当いくらで計算していて、苦労かけた日には
決定権者がさじ加減で手当てをつける。

そもそも日当計算して稼いでいる方々にとって、
有給休暇って何?って感じです。

こんなどんぶり勘定で回っている現実に、杓子定規な法律など
当てはまるわけがありません。


が、


入管はそれを求めるわけです。

社会保険加入は当たり前で必須。
雇用保険は元請けで入っているからなんて言葉は全く通用しません。

現場が期日までに終わらなければ、みんなで協力して
朝早くから、夜遅くまで取り掛かることだって当たり前にあるわけです。
7日間以上の連勤なんてこともある話ですが、
日当で現場が終わっていくらの世界に、残業代とか休日出勤なんて言葉は
まったくナンセンスなんです。

36協定、変形労働ってなんですの?!


組合もそれを指導する立場にあるわけですので、
なかなかの板挟みです。


ですので、組合も建設業は扱いたがらないところが多いのも現実です。
だって、1社でも法令違反で指導があると、組合にも指導がついて、
入管への申請許可に影響が出る可能性が高まるから。

一蓮托生制度でもあるので、他の企業に莫大な迷惑がかかってしまいますから。


それでも、中には様々ご理解頂けて、共に調整しながら、
受入を上手に進めていらっしゃる企業も確かにあります。


ですが、ある意味、気性の荒いどんぶり勘定で生きてきた方々にとっては
使えもしない半人前を使ってやってるのに、
なんでそこまで会社がしないといかんのだと
怒り出す社長も少なくありません。



本当に建設業界での外国人技能実習生の活用は、
なかなか一筋縄ではいかない現実があります。






タグ:建設
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