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日本人労働者も外国人労働者も、不満に思うことは同じ。 [実習生の変化]

外国人技能実習制度が3年になった1993年から、
すでに23年近い年数が経ちます。

今までに何十万人もが来日し、研修、実習を終えて、帰国しています。


ということは、良くも悪くも、昔の状況も今の状況も、
それぞれ口コミなど広がっているということです。

加えて、ネットから様々な情報が、誰でも入手できる時代ですので、
今現在来日中の実習生や、これから日本へ出稼ぎに行こうと考えている候補者たちにも
様々な情報が伝わっているということです。



この背景から察するに、今までと違って、単なる期間限定の出稼ぎサービスと
考えるのは難しくなっていることと思われます。


つまり、今も議論があがっている、転職の自由や、期間の自由も
必然的に考えなくてはならないのではと、強く感じる次第です。



そう、ほとんど実習生で来日する子たちは、当初は近視眼にて、
さて、実際にいくら稼げるのか、しか頭の中にはありません。

しかし、いざ働き始めてお給料をいただき、生活費も実際どの程度かかり、
ついては親元に送れるお金が、はたしてどの程度かと具体的につかみ始めてきた頃、
さて、これでは当時想像していたほど儲からない・・・なんて傾いたとたんに、
歯車がおかしくなっていきます。


しかし、現状は確かにこうなんだ、だけど、転職や頑張れば来年、再来年には
給料がもっと上がるかもしれない、と次の可能性が提示されれば、
少なくとも、さらなる成長へと進んでくれる子達もたくさんいると思うのです。

もちろん、監理団体としても、先が変わらないのであれば難しいですが、
こうすればこうなる、なんて次の選択肢を提示できれば、
おかしな考えへと転がらないよう説得もできます。



これは日本人も同様ですものね。

一時間に100個の部品を組み付ける仕事のみを延々と取り組まさせられるよりも、
給与を増やしたいのであれば、次はこの仕事も対応可能な選手になれば、
これだけ給与を増やせる、なんて具体的な提示があるのとないのとでは、
全く企業としての従業員への姿勢が変わってくると思います。


家族の生活を守るために、頑張って働くという姿勢は、
日本人も外国人も変わりありません。

良い流れへと加速することを祈るばかりです。



最後に、こんな記事がありましたので、ご紹介して結びとします。



日本ではキャリアアップできない? 働く外国人の本音
財経新聞 2016年2月25日 11:26
http://www.zaikei.co.jp/article/20160225/295185.html

2016022511132793eca.jpg
画像の説明分に以下の文章がついていたので、載せておきます。
経済産業省が先日行ったアンケートでは、
「日本は生活の場としての魅力は高いが、働く場としての魅力がない」
という評価が出てしまった。
理由には「希望のする職場と実際に働く職場とのミスマッチ」や
「根強い年功序列制度」が目立つ。
日本人労働者が感じることと、大差がないことが分かる。


以下、珍しく肯定的な内容でしたので記事前文を引用します。
ご参照してみてください。


日本で働く外国人が約90万8000人となり、
3年連続で過去最高を更新したと厚生労働省が発表した。
国籍では中国が前年比3%増の32万3000人でトップ。
2位のベトナムはなんと80%増の11万人、
16%増のフィリピンが10万7000人で続いている。
在留資格別では、留学生が前年比31%増の19万2000人。
技能実習生が同16%増の16万8000人だった。
業種は製造業や流通業などが多く、現場の人手不足を補っている。

慣れない環境で働く外国人労働者たち、彼らの職場満足度はいかほどなのか。
日本最大級の外国人向け生活情報サイト「GaijinPot(ガイジンポット)」を運営する
ジープラス・メディアがこのほど、サイトに登録をしている外国人約15万人を対象に
職場についての満足度調査を行った。

その結果、満足度が比較的高かったのは意外にも
「同僚との人間関係」で「満足している」「どちらかといえば満足している」を合わせると
65.2%の人が満足しているという結果になった。
「業務内容」については、63.1%、「労働時間」は49.6%、「給与」は42.5%の人が
満足しているという結果となった。
そして「職場全体の総合評価」では、約60%が「とても満足している」
あるいは「それなりに満足している」と答えた。

一方で、一番満足度が低いという結果となってしまったのが
「キャリアパス(社員育成制度)」の項目だ。
「(非常に/どちらかといえば)満足している」は24%にとどまり、
「どちらかというと満足していない」と「満足していない」が4割を超えてしまったのだ。
これは受け入れ先の企業に、外国人労働者は「あくまで一時的な人手不足対策」
という感覚が根強く残っていることが一因だと考えられる。

しかし、これは外国人に限った話ではないという見方もある。
技能労働者のキャリア形成に役立つ適切な教育訓練を行い、
必要な資格の取得を後押しする。
資格取得者や高度な技能を持った人には、それに見合った処遇をする。
今後企業に求められていくことだが、実はこれは日本人だけの企業でも
なかなか進んでいないのではないか。
今の職場には強い不満はないが、将来性に不安がある-。
これは日本人も外国人も変わらないのかもしれない。

(編集担当:久保田雄城)
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