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外国人技能実習生の良し悪し議論は一概にどちらと言い切れない。 [労働力確保と維持の重要性]

3Kなどの日本人がつきたがらない仕事に、
低賃金で外国人を技能実習という言い訳で使うのはいかがなものか、
これは国際的に奴隷制度ではないか、

なんて議論が何年も前から言われています。


言いたいことはわかります。

でも、そんな悠長なことは言ってられない現実も確かに存在します。

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水産加工工場で作業する外国人技能実習生ら=宮城県塩釜市で(野村和宏撮影)

外国人実習生は沿岸の支え 震災時から650人以上増加
CHUNICHI WEB 2016年3月6日 朝刊
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016030602000055.html


東日本大震災が起きた後、中国人技能実習生が、
我先にと帰国したニュースが、当時あったことを覚えていますか?

5年前のことです。

東北よりはるか離れた地方でも、
自身や津波を恐れて、言い訳にもしつつ帰国した実習生は
かなり多くいました。


しかし、今また数字を見てみれば、
岩手、宮城、福島の三県で地場産業などで、
成り手のいない水産加工業の人手不足に対して、
外国人実習生が貴重な働き手として支えている。

とあります。


「コストが理由ではなく、人がいないからだ」


岩手、宮城両県は昨年、沿岸部で実習生の受け入れ枠を増やす特区の認定を政府に申請。
宮城・塩釜市と岩手・釜石市が対象地域として認められ、
従業員五十人以下の企業で単年度ごとに受け入れられる人数が三人から六人となった。

とあります。


実習制度は、人手不足の労働力確保を目的とした受入を認めていません。
しかし、安倍総理は労働力確保と堂々と訴えています。
震災について、特区として政府が認めています。


矛盾だらけの外国人技能実習制度ですが、
『最低賃金で奴隷のごとく働かせている』のは、
ほんの一部であると信じたいし、その一部はたとえ一件であっても
決して許されるワケではないので、厳しく取り締まるべきと思いますが、

その一部をみて、制度全体を悪と決めつける国際社会は、
他国と比べ、リスクを取らな過ぎる日本政府への交渉カードとしか、
意図が違う意味合いにしか、受け止められないと思うことがあります。



外国人技能実習制度を廃止せよ、という方には、
こういった現実の具体的なカウンタープランを提示してくる方が
ほとんどいません。

=震災現地の水産加工会社は潰れなさい、と主張していることを
理解して頂きたいものです。

なんなら、アナタがちゃんと現地に代わりの日本人を(現地の採用条件に合う)、
必要な人数分、手配してあげてもらえるなら、私たちは何の文句もありません。




制度がどう変わろうとも、

母国で、食べるに困る、定職に就けない、実習生候補者たちが、

適切なレールに乗って、適切な費用の下、適切な受入企業での
労働力として活躍し、結果として自分と家族が潤うことは、

民間レベルでの、正に国際貢献・国際協力であり、
まごうことのない人財育成に他なりません。


クルマも、乗る人によって、凶器に変わります。

関わる人が、良心に従い、人を扱う意味を問い続けていけたなら、
決して悪評が生まれることはないと信じます。










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