外国人技能実習制度の法改正審議内容について4/19-7 [技能実習生の法改正]
去る平成28年4月19日(火曜日)、衆院の法務委員会にて、
『外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案』
『出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案』
技能実習生改正法案の3回目の審議です。
衆議院トップページ >立法情報 >会議録 >法務委員会
>第190回国会 法務委員会 第12号(平成28年4月19日(火曜日))
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000419020160419012.htm
議事録のUPがありました。
今回は、日本共産党の清水忠史さんの質問についてのコメント的備忘録です。
個人的に気になった点しか触れていません。
悪しからずご了承ください。
*民進党の他の議員からの答弁について。
http://ginoujissyuusei.blog.so-net.ne.jp/2016-05-16
http://ginoujissyuusei.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17
http://ginoujissyuusei.blog.so-net.ne.jp/2016-05-18
http://ginoujissyuusei.blog.so-net.ne.jp/2016-05-19
http://ginoujissyuusei.blog.so-net.ne.jp/2016-05-24
http://ginoujissyuusei.blog.so-net.ne.jp/2016-05-25
『外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案』
『出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案』
についての質疑でした。
岩城国務大臣
井上政府参考人
宮川(晃)政府参考人
堀江政府参考人
答弁より
①この制度のもとで、実習生として日本の技能を学び、
出国した外国人の数の累計を教えてください。
平成23年以降、5年間、技能実習生の帰国者の累計は
348,136人(約35万人)になります。
・・・今もどんどん増えています。
2015年末時点で、在留中の実習生総数は約19万人との数字も発表されています。
この数字は、上の数字を見ても、とんでもない伸びをしています。
②厚生労働省が御自身で、送り出し国へ一度でも行って、
実習生のその後の実態調査を行われたことはございますか。
確認することは行っておりません。
・・・こういう会話になりますね。
実態を、現実を知らずして、法律を制定している方々へは、特に。
問題なければ、こんな会話はありませんから。
③面白いですね~、共産党から法務委員会でのチクリです。笑
四国にありますメディカルサポート協同組合が介護事業を行っている法人に宛てたはがき
「人材不足を外国人スタッフで補いたい」、そういう方は御連絡くださいというはがき
ホームページには何と書いているかといいますと、
「日本国内の労働市場の需要に応えるために」、いいですか、
「需要に応えるために」「政府主導でスタートした制度です。」こう書いているんですよ。
こういう認識なんですね。
さらに驚くべきことに、この協同組合は、
「外国人技能実習生の介護実習は松山の老人ホーム施設にて行います。」と、
法案が成立もしていないのに先取りして告知しているわけなんです。
現行法のもとでも、こうした協同組合、監理団体などは是正指導するべきじゃありませんか。
いかがでしょうか。
技能実習生の受け入れを労働力の確保策と宣伝しているような監理団体があるとすれば、
それは制度の趣旨を誤解している。
その結果、労働関係法令の違反ですとか人権侵害につながる可能性が
懸念されるところでございます。
このような監理団体などにつきましては、
制度の趣旨に反するような受け入れにより法令違反等が生じている旨の情報を
申告等を通じて把握した場合には、
事案に応じて地方入国管理局や労働基準監督署等で適切に対処することとしております。
また、新制度におきましては、監理団体に対し是正指導ですとか改善命令ということを
行うこととなろうと思いますし、仮にこれに従わない場合には、
監理団体の許可ですとか、既に許可を受けた監理団体であれば許可取り消し等、
技能実習法案に基づき、さらに徹底した措置を講ずることとなろうと考えております。
*ちなみにこちらの協同組合さんのHPのリンク先です。
内容はさすがに変えているようにも思いますが、
いまだに健在のご様子です。
メディカルサポート協同組合
http://msc-jp.info/
・・・まさに素人丸出しの協同組合さんですね。
攻撃するようで大変申し訳ありませんが、それでもお伝えしたい。
こういう脇が甘い監理団体での受入は、遅かれ早かれダメになってしまいます。
受入企業にしてみたら、ダメだったら違う監理団体でって簡単に考えますが、
イエローカードないしレッドカードを受けるのは、受入企業でもあるからです。
ウチの脇が甘いかどうか、十分に締めているかどうかは、機会があれば
客観的にご判断願いたいところですが、少なくとも意識の大きな違いは明確です。
もし法改正が施行されたのちも、こういう密告があった協同組合は、
入管にレコード、マークされ、許可が下りない可能性が考えられます。
具体的に罰則を受けなかったとしても、何らかの嫌がらせを受けるやもしれませんね。
④これは、ベトナム人実習生御本人と、それを支援されている市民団体の方々の許可を得て、
名前を伏せ、派遣先の現場を伏せた資料であります。
ことし一月のものでありますが、実に九日間しか働けておりません。
一月とはいえ、正月休みを除いても、ほとんど現場に派遣されることがない。
仕事がなかった、あっせんされなかった。これは建設業なんですね。
それで、仕事がない日も飯代ということで毎日700円は控除される。
結局、この月の出勤回数、九回、九日間、
そして、賃金から飯代等を引いた残金は44,738円です、一カ月ですよ。
それで、最低賃金、東京ですから907円、
これに張りついているわけなんですが、月額4万5千円にも満たない賃金で、
これで実習生が生活していけるんでしょうか、大臣。
実際に支払われる報酬が、
地方入国管理局への申請の際提出した雇用契約書に記載された報酬よりも
極めて低かった場合には、
賃金等の不払い、二重契約などの不正行為となり得ます。
・・・建設業の方、お気を付けください。
監理団体もちゃんとチェックしたほうがいいですね。
たぶんちゃんと見てないからこうなるんでしょうけど。
たぶん監理費などろくにもらえていないんでしょうけど。
最低賃金は守られていますが、実際、このような出勤形態では、
それこそ一カ月の生活ができませんから、アウトですね。
120%失踪します。
しないと生きていけませんから。
⑤・・・これは実は動画なんですね、上の写真二枚は。
日本人労働者が外国人労働者に暴行を働いているシーンです。
おまえ、日本人をなめてんのかと言って、蹴りを入れたり、
握り拳で腹を殴ったりしているところを私は見ました。
下の写真をごらんください、住環境です。
体を折り曲げなければ寝られないような狭い場所に放り込まれている、
こういう状況があるんです。
それで、この実施機関には六名のベトナム人実習生がいたそうなんですが、
六人で集まって相談をして、監理団体やJITCOに相談した。
すると何と言われたか。我慢しろと言われたんです、我慢しろと。
先ほどの賃金といい、このような劣悪な住環境といい、
日本人労働者からの暴力といい、こうしたことをこれまで行ってきたことを
いわゆる取り締まることができなかったということは、
私は真摯に見ておく必要があるというふうに思います。
さらに、この実習生はとび職ということでこの現場にやってきたそうですが、
とび職の仕事はさせてもらえなかった。
それはなぜかといいますと、技能講習が必要なんですね、安全帯をつけたりだとか。
ところが、この技能講習が行われず、このベトナム人実習生は何をさせられていたか。
穴掘りです。資材運びです。
このような作業は単純労働じゃないんですか。これが技能移転になるんでしょうか。
(政府側の返答は今まで通りです。)
・・・未だにあるんですね。
個人的には、こういう企業へは、まず受け入れを進められませんし、
様々チェックしていく中で、必然的にはじかれてお相手できない答えとなります。
万が一、それらのチェックを通り抜けたとしても、監理団体の責任において、
緊急避難、転籍の手配、帰国の流れとなります。
こういう、ありえない実態は、早急に指導改善されるべきと心から思います。
・・・また長くなってきそうなので、翌日へ。