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技能実習生に残業させてあげてもかまわない時間数について [経営者や企業のレベルの問題]

一昨日に引き続き、これは外国人技能実習生のことだけではありませんが、
特に残業について、受入企業が注意すべき事項について、おさらいしてみます。


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ご承知おきの方も多いことと思いますが、
基本的には、会社と労働者との間でそもそも、

 【会社側】
 残業をしてもらいますよ~。

 〈従業員側〉
 わかりましたよ~。


という、労使協定を結んでいなくては、
会社側は従業員に残業をさせてはいけないことになっています。

いちいち「ね、残業してもらってもいい?」なんて確認もされていないでしょうし、
当然のことだと思ってる従業員の方がほとんどだと思いますが、

実際には、誰かしら代表としてサインしてくれ、なんてお願いされて、
1人の従業員が、いわゆる36協定にサイン、捺印しておしまい。

こんなところかと思います。


ちゃんとしてる会社だと、壁に張り出されている場合もあるかもしれませんね。



そして、この際、

 一日最大何時間。

 一カ月に最大何時間。

 一年通じて最大何時間。


また、どういう事情のため、などの内容が記載されています。


そして、基本は、

 1週間 15時間
 2週間 27時間
 4週間 43時間
 1ヶ月 45時間
 2ヶ月 81時間
 3ヶ月 120時間
 1年間 360時間


という限度時間が、法律で定められています。

月に45時間までしか残業させちゃいけない、なんて言葉は、
ここからきています。

*1年単位や1カ月単位の変形労働とか、特別条項なんてやり方もありますが、
 詳しくはお知り合いなどの社労士の方にご確認願います。


だから、昨日取り上げたジョーイさんが、

 14年4月に心疾患のため従業員寮で死亡した。
 同年1月末から3カ月間で、
 1カ月に96~115時間の時間外労働(残業)をしていた。
 岐阜労働基準監督署が8月、長時間労働が原因の過労死として労災認定していた。

ということが、いかに長時間であり、不法行為と認定されたことがお分かりかと思います。



そう、法律的には、一般的な36協定下においては、
一カ月に45時間までならば、労使協定が締結されていることを根拠にして、
残業をしてもらっても、会社側は問題ないこととなりますが、

これを超える場合、不法行為となってしまいます。



そして、監理団体は、これらの受入企業ごとに定めている、
就業規則や、この36協定などで、

 『その企業で実習生が残業しても問題ない時間数の確認』

までが、監理団体としての監査として、チェックすべき視点でもあるかと思われます。



アホみたいに数十人受入先企業の全員の給与明細を、
毎月事細かに確認することもどうかと思いますが、

基本的には、こういうチェックが大事であり、

これがなかったから、ジョーイさんの長時間労働の実態を、
見落としていたゆえに、この悲しく残念な事故につながったのではないかと。



こういう確認が面倒だから、残業は一切させない。

そんな企業も少なからずあります。

建設関係は、近所迷惑でクレームが来ないよう、
強制的に時間で現場を終了する場合も多いですしね。



しかし、ほぼすべての実習生は、
残業は有ったらあった分だけ稼げるのですから、


 『やらせてください!』


と、簡単に訴えてきます。



しかし、じゃぁ、といって長時間させていたら、
ジョーイさんのように心疾患になるかもしれませんし、
最初は稼ぎたいから頑張ります!って言われても、
結果、前述の法令違反となるくらいであれば、

実習生に、悲しいかな、残業させる必要はありません。
させてはいけません。


現在受入中にて、心当たりのある企業様は、

ぜひ現状をご確認いただくと良いかとおもいます。

明日は我が身とならないためにも。




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