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農業の外国人労働者の非現実的な提言について [労働力確保と維持の重要性]

久しぶりに農業について、思うところがある記事がありました。
言いたいことはわかりますが、やはり現場の現実を知らない。

01.JPG


農業労働不足解消で提言―農業労働力支援協議会
農業協同組合新聞 2017.12.31
http://www.jacom.or.jp/nousei/news/2017/12/171231-34335.php


個人的には、AIの活用と大規模な機械化、
また、先進の技術を導入した生産効率を上げられる工場農業が
増えていくのではと思っています。


しかし、資本力のある大企業でしか、こういう選択肢は取れず、
実態の住み分けが現実化されるまでは、
提言にあるような施策がいかにして整備されていくかとの綱引きがあるようにも思われます。

また、国としても食料自給率は存亡をかける重要課題でもあると思われ、
本当にどこまで国が法をもって整備していくのかによっても、
時代の流れのスピード感は移り変わっていきそうです。


さて、具体的なポイントを指摘してみます。

「労働力不足解消に向けた対策の拡充」において「目指すべき姿」として、

・就農希望者が増加する
 →定着のための、安定、安心を充実させる
・機械化を進める。
・労働力の短期集中的な需要と供給のマッチングの仕組みを広域で整える。

*一つ目は、国の事業にして農業に従事する人は国家公務員にしてしまえば、
 安定、安心はできます。競争意欲(発展性)はなくなるため、次策が必要でしょうけど。
*三つ前は少々無理があるように思われます。


このための課題。

(1)人材採用支援の構築:
  派遣を使うという選択肢は、厳しいでしょう。
  安心、安定が先に保証されてでもいない限り、
  採用も支援も容易ではないことは誰もがわかる話です。

(2)新規就農者の確保と定着支援の拡充:
  支援情報をいくら手厚くしたとしても、解決には至らないでしょう。
  国主導では、必要とする情報を、必要とする人に、必要とするタイミングで、
  過不足なく伝わるシステムを整備することは難しいでしょう。
  サービス業かつ、切磋琢磨によりブラッシュアップされ続けた先には、
  可能かもしれませんが、
  何よりそれらのシステムを『使う側』の人間のレベルによっても、
  支援にならないことがおおいためです。
  例えば、クックパッドなど料理のレシピなどはごまんとありますが、
  料理する人が全員使いこなして、おいしい料理が作れるワケではないことを見れば、
  お分かりではないでしょうか。

(3)農作業受託事業の構築と全国展開:
  それこそ、船頭多くしても船は山を登りません。
  それぞれにそれぞれ固有の理由と背景があります。
  加えて、上述同様に、それぞれの事業主のレベルによっても、
  そこに加わる支援労働者のレベルによっても、効果的な実現は容易いはずもありません。

(4)園芸分野の農作業機械化への取組み拡充:
  ここには、一定の可能性を感じます。
  なぜならば、ヒトではなく、機械だから。
  機械は誰が操作しても、同じ結果をもたらすからです。
  当然、もたらす結果の創意工夫によって差は生まれるでしょうけど、
  それこそ、競争社会の許容範囲とされてきました。

1,2,3については、言いたいことはわかりますが、
おそらく人財事業の現場の現実を知らない、
お偉いさんたちが言いたそうなことですね。


結果、混とんとした時代がいましばらくは続くのでしょう。

そして、農業の現場にまで、労基がことごとく介入してきたならば、
就農事業者は徐々に消え始め、先日のガイアではないですが、
より厳しい悪質?農業事業者に頼ってしか、一般家庭の台所に、
今まで通りの食材はならばなくなるのかもしれません。

なんだかなぁって感じです。


最後に、少し面白かった「外国人技能実習制度の改善」について。

(1)寒冷地における農業の実態を踏まえるとともに、
  技能研修の実効性を高めるため、
  気象・気候等により農作業が確保できないことを理由に帰国する場合は、
  再入国して継続的に技能研修できるように制度を改善すること。

  そんな面倒な出稼ぎ形態にしたら、余計に集めにくくなりますよ。

(2)作目や産地が異なる複数の経営体における実習の実施を認めることにより、
  年間を通じてより効果的な実習を可能とすること。

  二社で受入時期や雇用条件、生活条件などを都合よく揃えられるところなど、
  そう簡単にできるはずもないでしょう。
  無理くりまとめようとすれば、結果、現実はうまくいかずトラブル噴出です。

(3)農業の実態・特殊性を踏まえたうえで、新制度の定着化を図るとともに、
  技能実習生の意欲向上、効果的な実習の実施、
  適正な労務管理などを普及する取組みを支援すること。

  だから、どうやって?苦笑


別に皮肉っているつもりではないのですが、本当に現場の現実を知らない。



さらに「外国人材の活用」として、

…記事をご覧ください。もはや他責志向です。



介護と違う意味で、農業も非常に重要な国家施策です。

他人事意識でいると、食卓に並ぶ食材が変わってきて、
貧乏な生活を強いられる人にとっては、栄養にも偏りが大きくなることでしょう。
そしてそれは医療費の増大へともつながり、
社会保障費の増大にもなります。

運動神経も良く、栄養もいきわたり、
計画的な身体的成長を見込める、
オリンピックに出れそうな選手とは、
今後、増々裕福な家庭のご子息のみとなっていくようにも感じられます。
*プロ野球やJリーグなどのプロのスポーツ選手も同様ですね。


偉そうに指摘している私にとっても、
これらの解決策は具体的には申し上げられませんが、
農業における労働力の確保策については、
今までもこれからも、色々気にかかるところです。




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