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介護、農業、矛盾だらけの外国人労働者拡大策検討の指示 [行政の対応や思惑]

はっきりいって、混乱を増す。
より複雑怪奇になるように思えてならない。

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先日、安倍首相による
外国人労働者の受け入れ拡大策について
具体的に検討するよう関係閣僚に指示した…


経済財政諮問会議
外国人就労、拡大を検討 専門職受け入れ
毎日新聞2018年2月21日 東京朝刊
https://mainichi.jp/articles/20180221/ddm/008/020/078000c


とのニュースが駆け巡り、

農業や介護の業界では、期待が膨らんでいるようです。



介護の外国人労働者、受け入れ拡大を検討へ
安倍首相が指示 6月に方向性
JOINT 官庁通信社 2018.2.21
https://articles001.joint-kaigo.com/article-6/pg0040.html


農業現場に専門人材 外国人就労の拡大検討 政府
日本農業新聞 2018年2月21日
https://www.agrinews.co.jp/p43324.html



気にしているのは、

『専門的・技術的な外国人受け入れの制度のあり方』について、
規制緩和し拡大を指示という意味は、

決して、入管の根底にある基本概念を覆すものではないということ。

つまり、

『外国人でなくてはならない、外国人ならではの理由があり、
 それにふさわしい経歴のある人財である場合に限り、
 様々な制限をかけて在留許可を認めるということ』

それは、

残念ながら、決して、

『専門的、技術的ではない、
 誰でもできるような単純労働的な業務は、
 外国人労働者にやらせても良い』

という、解釈にはならない。


規制緩和として考えられることは、

技人国ビザで言うならば、

入管が認める、その国の歴史も輩出実績もある大学の卒業経歴があり、
なおかつ、その学科で学んだことの延長線上にある業務での就業、
(当然、それ以外の仕事をさせるのは法令違反)
その引き受け先である企業の財務体質、納税状況、
諸々の立証があって、初めて入国が可能となる条件の、
どこが緩和されると思われますか。
(上記条件は、必ずしも必須ではない内容もありますが、
 入管から追加資料提出を依頼されれば、フツー断るわけにはいきません。)

つまり、単純労働も認めるということにはなりにくい。
この点、強いて言えば、付帯業務であれば細かいこと言わずに許す、
なんてことにまでなれば、万々歳でしょうけど、
それは今までの在留資格の大前提をひっくり返しかねない。

技能であれば、当該業務において、10年以上の職務経歴があれば、
その延長線上の業務に従事することに限って、
在留資格が下りていました。

5年とかになるのでしょうか。


職種が増えるといっても、諸条件の流れは変わりません。



それを踏まえたとしても、
現実的なハードルは法規制が緩和されても、変わるものではありません。

外国人にとって、
日本へ来る前はどこの地域で採用されようが、
OKです。

しかしながら、しばらく滞在し慣れてくると、
東京は同じ仕事をしてもなんて給料が高いんだ、、、
として、残念無念、都会へと転職していきます。


また、日本語能力の問題。
通訳、翻訳、国際業務などは、そもそも話せますが、
SEなどのエンジニア、いわゆる技術職についていえば、
技術はあっても、日本語でのコミュニケーションが取れない。
このハードルを越えられるのは、許容範囲の広く深い企業だけ。


介護にせよ、農業にせよ、
基本的に、『専門的、技術的な外国人』を受け入れ拡大したいというのに、

農業の専門家、例えば品種改良の研究者?笑
そんな技術者が、収穫や出荷の手伝いとかするの?

介護の専門家…そもそも介護業界そのものが
まだまだないといっても過言ではない国から、
介護の専門家、技術者が日本に来て何するの?
身体介護もするの?


いったい、何をどこまで緩和するの???????



現場で勝手に身勝手な想像を膨らませて期待するのは構わないが、
国は国として考えて緩和してるんだ!みたいな感じでしょうか。


水を差すようで大変忍びないのですが、
期待して、その分、振り回されてくたびれるのは、
とても精神的にキツイですよ。

まして、いつそうなるともまったく言われていません。
いつと言われても、ホントにその時期に改正されるかは
残念ながら、まったく保証はありません。


思い出すのは、3年前。
安倍総理率いる内閣が、実習制度の法改正を来春までにといって、
来春より半年以上遅れて、やっと法改正。
施行はさらに一年後。
約束は守られませんでした。

誰も主権国家をさばける存在はいません。
その国民であっても、現実的には不可能です。


同じように考えてみれば、現実となるのは、何年後でしょうか。。。


それだけ、政治の世界は時代の変化に対応できないんです。


であれば、アンテナを立てておくことは大事ですが、
振り回されないよう、冷静に現状にて見通しておくことが、
絶対的に必要です。


ただし、介護の技能実習生の条件緩和として、
N3要件が、N4要件となることを期待されていますが、
この点だけ言えば、規定された路線の一部軌道修正なので、
もしかすると早くて年内とかあるのかもしれませんが、
前述の通り、期待しても裏切られますし、
確定してから動いても、まったく遅くはないし問題もありません。

ご苦労されていらっしゃる方ほど、
気持ちが流行るのを何とか押さえて、
冷静沈着にひょうひょうと行きましょう。



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