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外国人技能実習制度を否定する一方、この新たなスキームは機能するのかどうか? [実習生とは違う受入手法]

はたしてちゃんと機能するのかどうか、
メリットデメリットを考えてみました。

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まずは、コチラ、ご一読、ご確認ください。

地方の人材危機解決へ
ローカルとグローバルが連携する新ソーシャルビジネス
Forbes Japan 2018/05/15 17:00
https://forbesjapan.com/articles/detail/21059


ご覧いただいた前提でコメントさせていただきます。

まず最初は、
日本語がろくに話せない頃から、
企業側が選抜するというポイントは、
絶対的にその通りです。

その子の教育費などを企業側が持つのであれば、
猶更、勉強させる前に出口を明確にしてあげておくことは、
とても大切です。


そうしないと、目的も曖昧なまま勉強しても身に入りにくいですし、
借金して大金払ってまで勉強を始めてしまえば、
何なら責任を取れと訴えられてしまうからです。


ただし、この際、IT人財として技人国ビザの場合、
日本側が求める資格を満たしている子の中から、
選べるようにするということが肝心です。
*少なくても対象大学学部卒ということ。


また、介護資格の場合、資格取得できない場合は、
最後の最後で日本で働けないということも、
きちんと事前説明していなくては、
更には、説明し了承した旨のサイン書面を事前確保していなくては、
なりません。


学費から生活費からどれだけ企業側が負担したとしても、
先の収入を勝手に見込んで勝手に借金こさえていきますから。


先々を見越したお金の教育って実はすごく大事です。
でも、近視眼の外国人人財にはすごく苦手なので、大変です。
まして、その子が理解できたとしても、
家族は理解できないし、勝手に親族がアテにして買い物したり、
やれ結婚やら病気やら、何故か入用が舞い込むのが常です。苦笑


加えて、企業側にしても、学費他負担までしても、
合格できなかったら代わりがいるワケではなく、
掛け倒れになるリスクを承知しておかねばなりません。


おそらく留学生としての在留資格を発行されるまでの間のことと思われますが、
日本企業が現地語学学校の費用や、寮、生活費と給与を保証とあります。
つまり、内定者は自動的に雇用契約が発生するということ?
給与が発生するということは、健康保険や雇用保険などもかかるということ?
所得税などは?
社員が海外にいる場合、どうなるのでしょうか?

いったい何カ月を見込んでいるのでしょう?
申請コストも企業側が負担なのでしょうね。
在留資格も予定通りの期間で下りる場合と、
下りない場合もありますけど、
そういった歩留まり的リスクも加味されてますでしょうか。
*企業側で支弁能力を担保していれば、
 問題はないと思われますが、
 週28時間で十分なコスト負担をとなると、
 時給はとても1000円では済みません。


更にさらに、留学生というビザであるとすれば、
雇用関係は資格外活動許可としての関係です。

入管や労基に言わせれば、社員より本文は学生となるため、
留学生側に職の選択の自由が法的には担保され、
強制労働のそしりは免れる手を打っておかねばなりません。

母国側で裏で縛っていても、日本国内では通用はしません。
念のため、ごね得が許されることを承知しておくべきでしょう。


短期大学の学費は一定条件で返済不要となる国の奨学制度を活用。
これは現実ならば素晴らしいですね。


また、受入企業側にも外国人人財受け入れのため、
グローバル化研修も提供...事前の地ならしとして、
あればストレスは軽減されますね。


地元での就労を狙っていますが、
外国人人財一人一人、生活を豊かにしたい、
仕送りをせねば、なんて事情がそれぞれにあります。

ITも介護士も、東京での給与は、
とても魅力的です。

中国やベトナムなどと比べても、
フィリピン人は比較的お金だけでは動かない国民性があるとも思いますが、
増えていくほどに、都会への転職リスクも、
縛り切れるものではありません。


従来の人材斡旋とは違い、
教育体制が確立されていることがこのクラブの重要な存在意義といえる。

技能実習制度も、おざなりにもルールとして、
教育体制は確立されています。
要は魂を入れられるかどうかにかかっているだけですね。


技能実習制度と比べて、希望者に永久就職、
永住への道が選択できるのは、確かに魅力の一つです、企業側にとっては。

でも、数年先、10年先、
故国を離れ、出稼ぎが十分にできた後は、
100人受け入れて、100人とも永住したいと思ってくれるでしょうか。

経済格差は年々薄まり、
日本では給与は増えても、その分物価も上がっていく予定です。
少なくとも2019年には消費税は10%に上がる。

時代は刻々と移り変わっていきます。
3年後、5年後、10年後は誰にもわかりません。


たぶん、企業側が負担した教育他様々なコストも、
何年にもわたって、給与から天引きするスキームでしょう。

企業側は貸し付けるのが実情でしょうから。
それだけでもキャッシュフローが良い企業でないと、
対応すらできませんしね。

そして、そもそも実質貸付とはいっても、
一人当たりに負担せねばならない額面は
相当なコストに膨れ上がることでしょう。
これだけ本当に負担するのであれば。


中間一貫校をフィリピン現地に開設。
短期大学内に介護の新設学部も開設予定。

今時、安定経営を立証して、新規学部設立は可能なのでしょうか。



フィリピンのトップクラス5大学のIT専攻生から優秀な人材を選抜...

本当にトップクラスの優秀な人財は、
日本語なんて覚える必要もなく、
米国、カナダ、英国、などなど英語圏に行く。

誰も大変な日本語習得の時間と労力をかけてまで、
わざわざ日本へ行きたいという優秀なIT人財は、
果たしてどれだけいるのでしょうか。



勤勉で、英語力が高く、
ホピタリティに溢れているフィリピン人の特質は、
IT・介護業界に合致する。

...英語力は大学生であればそこそこ高いでしょう。
でも、介護向けの人財では、どうなんでしょう。
いや、それでも日本人よりは絶対的に高いですけど。

ホスピタリティはピカイチです。
誰もが異論は唱えないでしょう。

そして、勤勉とのこと。
...ほんの一握りの優秀な人財はともかく、
残念ながら、まったくもって勤勉ではありません。

この点は、中国、ベトナムのほうが、大きくリードしていることでしょう。



この仕組みをモデルケースとして、ゆくゆくは全国で使ってもらいたい

意気込みも気持ちもわかります。
色々考えて仕組み化しようとしている姿勢も分かります。


それでも、現実って予定通りにはいかないことがほとんど。



世界の地域と地域が、直接繋がり、足りないもの、
余っているものを補い合えばいい。
そんなことが世界中で行われていけば、
世界のさまざまな地域課題は、
今まで考えていたよりもはるかに
簡単に、早く、解決に向かうのではないだろうか。


...人が考えることは、誰もが遅かれ早かれ考えつくものです。

またそんな簡単であれば、もっと早く誰かが実現しています。
今回のスキームであれ、フィリピンの地元行政はおそらく
役人が特権を使って賄賂をせびるようにもなることでしょう。

日本側でも地方行政が支援してくれているんであればとも思いますが、
重い腰を上げ、責任問題を真正面から当事者意識をもって、
取り組んで本気で支援してくれる方は、
なかなかいません。


また確かに、成功例をひた隠し、自社特権化したがる先がほとんどですが、
それでも、うまくいっているところは、
ほぼないでしょう。

それこそ、法が甘く見る大企業かつ、
人財にコストをかけられる見識のあるところであれば、
まだ可能性があるように思っています。

法が緩かった時代に動いていた
先行者メリットも確かにあるかもしれません。



成功の保証はどこにもなく、
前述した点がすべからく杞憂で終われば、それこそ万々歳ですが、
人の問題は様々複雑で根深く、国を渡って移り変わります。



投資意欲を強く認識し、十分な余力をもって、
臨機応変に軌道修正しながら、
それでもチャレンジし続けてきたからこそ、
この記事に書かれているスキームができてきていることと思います。


私は決して全否定はしていません。
むしろ、何を基軸にどう組み立てれば、
イチバンストレスなく関係者が全て整う範囲に収まるのか。
その道を探し続けています。


この取り組みが、意気込み通り、
本当に全国に広がるモデルケースになるなら、
願ったり叶ったりです。


もしそうだとしても、実績としてアピールできるまでには、
数年はかかるでしょうし、
数年後には、また法律も様々変わっているかもしれません。

相手国側の事情も変わっているかもしれません。

結果、スキームも変わり続けていくのかもしれません。

もっと良くなるのかもしれないし、通用しなくなるのかもしれない。



長くなりましたが、
良い道のりが切り開かれることを願ってやみません。



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