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在留資格『特定技能(仮称)』の諸条件案とは [実習生とは違う受入手法]

あぁ、また昨年同様に悪質ブローカーがうごめきだす...
新聞を賑わす記事が増え、殊更に外国人批判が高まりそう。

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外国人、単純労働にも門戸 政府案「25年に50万人超」
日本経済新聞 2018/5/29 18:00
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31103490Z20C18A5MM8000/


以下、気になる点を記事より抜粋。


2025年ごろまでに人手不足に悩む建設・農業などの5分野で50万人超の就業を想定

新たな就労資格
最長5年間
技能実習の修了者
建設、農業、宿泊、介護、造船業の5分野を対象
「特定技能評価試験」(仮称)を新設し、合格すれば就労資格を得られる。

日本語が苦手でも就労を認める。
日本語と技能の試験を作成し実施
日本語能力の基準は原則、日本語能力試験の「N4」とする。
「300時間程度の学習で到達できる」

建設と農業は「N4まで求めない」
例えば農業では「除草剤を持ってきて」という質問に該当する写真を選択できれば採用する。

・・・えっと、一つ一つツッコミしてみます。

『単純労働にも門戸』と誇大表現していますが、
何でもかんでもOKではなく、諸条件も付きます。


勝手に日本の都合だけで、
『2025年ごろまでに50万人超の就業を想定』
としていますが、
その頃には今盛んな国からは、ほぼ労働者がやってこない可能性も。

他国との経済格差があってこそ、日本に来てくれています。
その頃には、国によってはあまり出稼ぎに来る魅力は
今よりはもっと薄れていることでしょう。

むしろ、中国、台湾、韓国、ドバイ、シンガポール、
はたまた米国、欧州など他国に出稼ぎに行く方が、
経済格差も大きく、たくさん稼げるようになっているやもしれません。

逆に国によっては移民制限も強まり、諸条件次第では
溢れてくるかもしれません。
未だに日本世界一なんてノーテンキの方は、
だいぶ少なくなっていると思われますが、
どのみち日本だけの身勝手な都合がまかり通るはずもないでしょう。

単純に5分野だけってのもズルいですよね。苦笑
他の分野はどうでもいいのかと。
建設、農業、宿泊、介護、造船業とあります。
宿泊以外は技能実習があるので、実習終了者とありますが、
それって、3年?5年?5年ですよね、たぶん。
宿泊はどうするんでしょ?
新たに検定を設けるのは構いませんが、
それを海外で受けてから日本へ来るの?
専門学校でまずは留学生として受け入れるつもり?

N4?
どこで誰が勉強教えるの?
お得意のeラーニングなどで対応すればいいの?
それで対応できるの?
いや、そもそも母国にいる間からN4合格させて来いってこと?


そして、何度か当ブログでもコメントしてますが、

誰がそれを監理するの?

そもそも、誰も監理しないなんてありえないですよね。
それこそ世界からバッシング浴びるほどの人権問題にまで容易になりますから。

国?できるワケないですよね。
行政書士や社労士の方にアウトソースするの?
派遣会社にさせるの?


そもそもこんなややこしいルールを当事者だけで対応できるワケがない。
門戸を開くのも結構。
諸条件を付与するのも結構。

選択肢が増えるということは悪いことではないですから。

でも、他国との諸事情、現場での現実、
様々に配慮してからルールを決定してくれないと、
技能実習制度の新制度同様、大変な混乱を招きます。

ルールも細々決めるのは構いませんが、
行政も縦割りを超えて、もっと密に連携して、
業務の効率化、迅速化、変化への臨機応変な対応力、
指導や見解の表明など、きちんとしていただかない限り、
現場は過渡期の混乱からなかなか抜け出せないことでしょう。

あっという間に、2025年は来てしまいます。
というか、2020年を過ぎて、2025年までに、
これだけの就労者がホントに必要なんでしょうか。


AI、ICTなど相当な技術革新はとんでもないスピードです。
一般化されるのも時間の問題で、
携帯電話の登場と同じように、世界をすごいスピードで変えていきます。

人手不足との兼ね合いがどこまでどのように進むのかさっぱりわかりません。



そして、ベトナム、中国、フィリピン、インドネシア、他、
日本のみならず、各国でまた介護フィーバーのように、
悪質ブローカーがうごめき始めます。

儲かるぞ~、何百万も稼げるぞ~、だから100万手数料支払え。

今の内から海外に講習拠点を作って『建設?造船?介護?宿泊?農業?』の業界を
独占しましょう!なんて事業意欲を掻き立て、期限と結果が見えないゴールを目指して、
お金を突っ込み始め、引くに引けなくなっていく経営者。


まだまだ、混乱が続く業界です。
色々くたびれそうですが、皆さんと共に、
人財と受入企業と、関わる全ての業者のために、
個々にまともにマジメに取り組む一人一人のために、
様々取り組み続けたいと思います。



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適正な外国人人財活用についてご関心のある方は、
当ブログトップページをご参照ください。

http://ginoujissyuusei.blog.so-net.ne.jp/

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