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介護では外国人留学生と技能実習生、どちらで受け入れるべき? [介護 技能実習生]

人財側、受入側、双方にとってどちらの選択肢が良いのかという視点から
考えてみたいと思います。

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まず、人財側。
これはどこの国も当然、エージェンシーを利用しての渡航となり、
結局、情報弱者である希望者にとっては、
出会うブローカーとの縁でしかない現実があるということを、
まずもって、知っておくべきでしょう。

途上国でも端末はそれなりに普及し、
これだけSNSやネットが発達しているのに、
ろくに他を調べることもせず、親や友人の口コミが全てと言わんばかり。

なんかちょっと残念です。

それをさておき、考えられるのは、
どこまでも目の前の生活を豊かにしたいがための出稼ぎ目的が、
イチバンのキッカケである以上、

どちらが、どれだけ、コストをかけずに、儲かるのか。

この基準のみで考えた場合、
実習生のほうが圧倒的に儲かります。


なぜならば、留学生で日本へ来る前に、
それ相応のコストを支払うと同時に、
日本へ来てからも、週28時間しか基本は働くことはできないからです。

そして、授業料までかかります。

しょせん、出稼ぎでしかない場合は、
日本へ留学生として来ても、
そもそも稼げないんです。

それに、介護にこだわる必要はまったくありません。


介護の人手不足がひどいから、授業料は払ってあげる、
だから、留学できたら、週28時間でもいいからウチで働いてほしいと、
そんなスキームで受け入れをしている先もあろうかと思われます。

でも、それって、労働関連法上では、
強制労働って言われます。

今はまだそれほど取り締まりが厳しくはないのかもしれません。

でも、来春予定の特定技能(仮称)など、法も変わりつつあり、
外国人留学生という枠自体の制限強化も十分考えられます。

いや、初期投資して介護の専門学校を作ったところは、
学校事業自体で黒字転換していかねばならないため、
どういう形であれ、学生を集めねば、学校は閉鎖ですから、
日本人生徒がいなければ、あの手この手で外国人を騙してでも、
もしくは騙して送り出すエージェントのことは知っていて知らないフリをしてまでも、
学生募集し続けねばならないのでしょう。

そんな片道切符先では、どこまでも当の本人が罰せられねば、
留学ビザが一人も下りなかった事態に追い込まれない限り、
おそらく、そのまま受け入れを続けるのでしょうね。



本気で介護ノウハウを日本で学びたいからと願い、
介護での日本留学を考えている場合は別ですが、
介護の場合は、介護の勉強以前に、日本語の勉強をしなくてはなりません。

日本語の勉強をして、介護の勉強をして、
それで週28時間のアルバイトで、授業料や生活費まで捻出するのは、
どう計算しても不可能です。

例)時給1000円×約120時間(一カ月4.3週×28)=120,000円

当然、各種控除もあり、10万円では、生活費はともかくも、
とても学費まで、まして渡航までの各種費用は捻出できるはずもなく、
出稼ぎどころか、ペイすらできない。

2年我慢して、3年後から資格合格して本採用されれば...とか
考えて説得するとしても、ビザの取得コストなど、目に見えないコストは
本当に様々山ほどある。

どう考えても、お金がない、日本語ができない、
何年も先のことなど考えられない人財にとっては、
騙して連れてきているように思えてなりません。

母国で看護、介護の大学を卒業していようがいまいが、
しょせん、食っていけねば、どれだけ高邁な理想を目指していても、
歩み続けられません。



その点、介護の技能実習制度は違います。

日本語の勉強代から、介護の研修代から、
ビザの招聘コストから、日本の受入施設側が負担してくれます。

さらには、労働者であるにもかかわらず、
技能実習生として、更なる保護下で、手厚く迎え入れられます。

何より、母国でエージェントに多少なりとも支払うコストがあっても、
他にかかるコストはどうはないので、
稼いで返済することは十分可能です。


そういう送り出し機関と監理団体と受入施設へのレールに乗れたならば。




受入施設側の思惑も触れておきましょう。

受入側にとっては何よりも、その施設へちゃんと働きに来てくれるかどうか。
コストが見合うかどうかだけです。


留学生は、受入施設側が受け入れる責任は、ほぼ皆無。
留学生側の懐事情なんて、気にかける必要もありません。

しょせん、束の間のアルバイトとしてでしかありませんので。

いわゆる、労働力としてのみ。

良いのか悪いのか、そういうスタンスでしかなく、
時給はいくらですよ...だけです。

その代わり、日本語が話せるかどうかなど
欲は言えません。

また、前述のように、業者が絵をかいて、
学費などの負担をいただければ、学生を送り込みますと
約束してきても、それを飲むかどうかだけ。
募集コストと比較して、計算が合うならば乗ってもいいし、
合わなければ、わざわざ乗らないってだけ。
(前述リスクまで承知し、わかっている先は、ほぼないのでしょう)

唯一は、留学生が通える範囲に施設があるかどうか。
*業者が介在する場合は、バスで送迎までしてますね。

もしかしたら、都合よく資格を取ってくれたら、
ウチで働いてねと、淡い希望を持っているかもしれませんね。

おそらくは、イチバン給料の高いところへ、当然のごとく行きますが。



技能実習生では、留学生と比べれば、
よほど高いコストと受入責任を負わねばならず、
躊躇している先も少なくないのでしょう。

でも、近くに留学生がいない場合は特に、
ピンポイントで契約した施設へ来てくれます。
さらには、制度の特性上、転職はないので、
3年なら3年の間、実質労働者として、カウントができます。

確か、お上から人数ごとにおカネが頂ける資格者としても、
一定期間後、カウントされうることもポイントでしょうか。



当然ですが、人財側と受入側では、その思惑は全く違います。

要介護者のために...は、それらが成立して、初めて考えられることです。


すごく色んなことを考え、工夫して、
持続可能な受入を選択すべきでしょう。


自分の都合ばかり考えていたならば、
物事うまく運ぶはずもありません。


介護福祉士、養成学校への入学が最少…留学生は倍増、6分の1占める
ヨミウリオンライン ヨミドクター 2018年9月12日
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180912-OYTET50023/


こんな記事を見つけてしまい、つい書いてみました。

ご参考まで。


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適正な外国人人財活用についてご関心のある方は、
当ブログトップページをご参照ください。

https://ginoujissyuusei.blog.so-net.ne.jp/

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