外国人技能実習生には『農業』分野もカバーされています。

昔ながらの農業は夫婦や近隣の助け合いなどで
労働力は賄われてきましたが、高齢化が進む中で、
特に後継者問題含め、人手不足に悩まされている業界の一つです。


ここに外国人技能実習生はうまくフィットするのかどうかを
改めて検証してみます。





読売新聞 YOMIURI ONLINE 2015年06月16日
サクランボ 人手不足深刻
http://www.yomiuri.co.jp/local/yamagata/news/20150615-OYTNT50326.html?from=ycont_top_txt


まず第一に年中通して仕事があるかどうか。

農業も建設業と同じく、天候や季節に左右されやすい業界です。

例えばお米のように、春に田植えして秋に収穫、冬はお休みなんて
ことでは、実習生は受入れできません。

逆に、年がら年中、違う野菜を生産収穫するとか、
菊や薔薇のようにハウス栽培にて年中お仕事があると大丈夫です。


この前提にて可能である農業にて、いざ受入を検討してみますと、
まずもって今まであまり考えたことのない労働法律関連がハードルとして
立ちふさがります。

・社会保険加入事業所かどうか。
 *確か5人未満であったり、法人化していなければ、
  社保加入必須の条件はなかったと思います。

・雇用保険、労災の加入確認

・賃金のつけ方に代表される雇用条件とその環境整備
 労働日数、最低賃金、残業・休日出勤などの確認
 36協定や一年変形などの整備

・労働者名簿、賃金台帳、出勤簿の完備

今まであまり縁のなかったデスクワークが発生してきます。
そして、企業側負担分も含め、費用がかかるようになります。

アレコレ手伝わせようとしても、技能実習生には、
させていい業務とさせてはいけない業務とが
はっきり区別されているため、従事させる業務が限定されます。




それでも、農家に入る技能実習生は年々増えています、
それだけ処々雑多な手続きと環境整備を踏んでまでも、
受入を進める農業経営者は本当に増えてきています。

けっきょく働いてくれる方がいないことが、全ての根源的な
背景です。

お尻に火がついてどうしようもない農業経営者の方々にとって
多少手続きが煩雑でも、今までと違い、様々費用が掛かかったとしても
ご自分のお仕事をお手伝いしてくれる方を必要としているからです。


杓子定規な法律も、多少の解釈の幅はありますし、
入管も馬鹿ではないので、目をつぶることもしてきました。

今までは・・・。

しかしながら、失踪が増え続けている中で、人手不足対策にと
外国人受け入れを促進する現状であるならば、
やはり入管も厳しく法律を振りかざしてきています。


つまりは、対応する組合(監理団体)が上手に指導し、
監理していけば、相思相愛へとたどり着ける受入可能な農業受入先も
今後もっと増えていくのではと考えます。


これから農業は注目を浴びていく業界です。
ぜひともこの少子高齢化、人手不足な現代において、
上手に外国人技能実習制度を活用していただきたいものです。