先日、当コミュニティ内でもお話がありましたので、
ここで改めて触れてみます。




先月、ニュースにもなりましたように、
介護の初の技能実習計画の認定申請がありました。

今はもう結構な数が出ているのでしょうか。


どちらの監理団体がどれほどの日本語能力を教育して、
入国を図っているのか、私にはわかりませんが、
彼女たち(大方女性でしょう)は入国の時点で、
N4レベルなのでしょうか、
それともN3レベルなのでしょうか。


当時、介護の条件案がN3でしかなかった時があります。
その後、ハードルが高すぎるだろうとして、
N4での入国もOKになりました。

しかし、N4での入国者も、2年目以降に移るまでには、
(正確には、確か2号への移行申請を提出するまでには)
N3相当の合格が必須条件でもあります。


現地の日本語教師の方や、
日本語検定のN3のレベルがわかっていて、
外国人にとってN3取得までにはどれほどの勉強が必要となるかを、
肌感覚でもわかっていらっしゃる方々から言えば、
N4レベルでの入国後に、1年足らずでN3合格までもっていくためには、
日々、日本語の勉強に半日は費やし続けない限り、
合格は見込めないと言われています。

しかも、乱暴に言えば、
N4は勉強すれば誰でも受かるレベルであるのに対して、
N3は必ずしも頑張れば誰でも受かるレベルの検定ではないということです。

つまり、借金して日本に来て、N3取るぞと勢い込んできてみたとしても、
必ず誰もが2年目以降には行けない。
それは、1年での帰国を意味します。

監理団体や介護施設にしてみれば、
見込み違いで、その子にかけた教育費用分、損したと
割り切れるのかもしれませんが、
その子の人生は、大きく狂います。

もちろん、事前に説明し、本人承諾の上であったとしても、
そういう不幸が生まれます。

もしかすると、家族に迷惑かけられないのでと、
失踪する可能性も高いことでしょう。


そもそも、介護の技能習得を許可されて来日しているのに、
1年目はしょうがないからと、一日の半分は日本語の勉強って、
法的にもおかしいでしょう。
また、ぶっちゃけ介護施設も
そんなことに時間を費やされても意味がないですよね。



日本語を覚えなくてもできる仕事はたくさんあるから…
四の五の言っていられるほど時間もゆとりもないから…
姥捨て山が目の前に迫ってるんだよっ!

声が聞こえてきそうですが、
どれだけ現実と乖離していたとしても、
法治国家で法に触れてはなりません。


とても冷たい言い方になってしまいますが、
国の動きはとてもとても遅いので、
おそらく姥捨て山化し、高齢者の方々が何人も何人も亡くなり、
悲しい残酷な事件が何度も起き続けた後でないと、
重い腰を上げることすらできません。

*聞くところによれば、この介護人財不足に対しても、
 お役所こそ人口統計上、分かり切っていたことであり、
 何年も放置してきたツケでしかないのですから。



どうやら、厚労省のお役人や、関係者の方々が、
介護の監理団体に、様々ヒヤリングに動いているお話も複数筋から届きますが、
お役所はお役所なりに、実際問題は介護の実習生に来てもらいたいようですね。

年明けて初めて10数名の申請があっただけですから、
おそらくは目論見のペースがかなり狂っているのかもしれません。


色んな陳情もあってか、
N3条件が緩和になるのではとの見通しもあるようですが、
いつ本当にそうなるのかどうかは、誰にも分りません。
よって、現行下では、前述のN3条件はマストのままです。


そして、N4入国者には気になる受験機会ですが、
JLPTでいうN3検定は年に2回しかありません。
しかし、他の日本語検定は多いと2カ月に一度はあるようですね。
ちなみに難解レベルはどのテストも変わりないようです。


こういった潜在リスクから、
個人的にはN3での入国でないと、人財側にも受入施設側にも
メリットはないのではと思い、N4入国はお勧めできません。


ただし、全否定もありません。
私など与り知らぬところで、様々な手法があることでしょう。
もし、N4入国でも無理なく全員が期限内にN3相当になり
条件クリアできる手法があるようでしたら、
ぜひ教えてください。

そうすれば、全国各地で困っている方々に、
全力でお伝えさせていただきます。

…介護に取り組まれている方々に、
我と我が周りだけ助かって得すればいい、という方は、
おそらくいないと信じています。



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