特定技能のみならず、高度人財、技能実習生、他、
外国人労働者の受入ビジネスにおいての収益イメージについて。




特定技能創設を前にして、有象無象が群がっているので、
業者側の視点で書きます。

簡単に説明しましょう。


細かいこと抜きにして、
毎月いくら入ってくる...これが基本形です。

*有料職業紹介として、初期でいくら頂いて終わりなんて話もありますが、
 入口でコストが高いと、そもそも受入自体が難しくなります。
 また、定着しないと本当の意味でビジネスは成立しません。

よって、ある程度は人数を積み上げ、
次から次へと受入を増やし続けねばなりません。
実習生の場合は、3年 or 5年。
特定技能の場合は、今公表されている諸条件案の想定で言えば、5年。
細かいルールはありますが、
その後も増やしたいのであれば、一定数は増やせるし、
また、期限が来て帰国し、その分が減ると困るからと、
また新たな受入が続く場合も多くあります。


要は月々1万円入ってくるとすれば、
100人受け入れていたら、毎月100万円が、
一人2万なら200万、3万なら300万が入ってくるワケです。


この皮算用から、将来明るいとみて、
どんどん参入してくる(しようとしている)輩が増えています。


机上は楽しいですね。
たられば話は余計に。苦笑


でもね、
(いつもこんなんでスミマセン。汗)


そう易々と積み上がり続けるとお思いでしょうか。

積みあがったら、そう簡単には崩れていかないとお思いでしょうか。


ビジネスなんだから、そんな簡単にいかないくらいわかってる!
なんてツッコミも聞こえてきそうですが、

ホントにお分かりの方は、実際に取り組み続けているからにしか、
やはりわからないことでしょう。


最初は特に、数字が欲しいからとOKOK言って、
楽に、簡単に、受入できて、何でも仕事していいと、
勝手に拡大解釈が始まり、後で大変な目に合うという。


いや、それ以前に、器をつくっても、
結局のところ、入管から在留許可が下りてこなくて、
そもそもがビジネスとしてスタートすらできないなんてオチも
十分ありそうです。



ポイント①
入管から在留資格が下りないと、そもそも入国招聘できません。

申請は摩訶不思議です。
それぞれに申請の仕方が、どこぞに記載はありますが、
HPなどに書かれていることを全てしたとしても、
許可が出るかどうかは何とも言えません。

入管がどこを見て、何を基準に是非の判断をしているのか、
この辺りが、申請カテゴリーによっても、バラバラです。
無論、管轄先や、その審査担当者によっても。


入管が許可してくれなきゃ、そもそもビジネスのビの字にもなりません。
むしろ、真っ赤ですね。



ポイント②
積み上げた数字は、意外と減っていくことがある。

人財のお父さんが母国で急逝した、
重い病気で長期入院となった、
などによる途中帰国。

借金額が多すぎて失踪した、
受入側に問題があった、
実態と申請内容との齟齬があり、取り締まられて、
受入ができなくなった、
人財が万引きなどで捕まりクビになった、
そもそも団体自体が思うように収益を上げられずに、
途中で身売りや事業中止となった、

などなど、様々な理由で人財側も長続きしなかったり、
受入先が外国人を雇い続けられるほど体力もなかった、
他、受注さえできれば、安定してずっと数字が上がり続けるというのは、
明らかな間違いであり勘違い。




ポイント③
法がどんどん変わっていく。

つまり、せっかく苦労して築き上げた様々なスキームが、
ある日から突然、使えなくなることがあったり、
対応すると、膨大なコストを必要とすることに。

そして、そもそも、法が変わっていることにすら気づくことなく、
書類が違っていたり、十分な立証とならず、
出し直しや却下となる。

不適切な手続きとなり、法令違反のそしりや認定を受ける。
許可など取り消される。



言い出すとキリがないので、今回はこの3つ。



人間、本当に自分で痛い目を見なくては、
わからない。

なんど痛い目見ても、理解できない方も少なくない。


せめて、法はそれぞれ広くケアし続けなくてはならない。
当然、送り出し国側のルールも。



考え方とすれば、
買い物袋、いわゆるビニール袋に、水というお金を入れるイメージ。

最初は袋を用意する。
そこへ水を流し込む。

すると穴が開いていることがわかるから、
その穴を埋めていかねば、水はいくら注ぎ入れても、
次から次へと流れ落ちていき、いっこうに溜まらない。

次から次へと穴をふさぎ続け、
それで水が思うようにたまり続けるかどうか。


そんな感じが収益のイメージでしょうか。


個人的には、
この業界にてビジネスとして取り組む場合は、
徒手空拳で何度も何度も壁にぶち当たるとすれば、
ビニール袋に穴が次から次へと見つかり、
そのふさぎ方もわからない、
いや、穴そのものがどこかすらわからない、
なんて状態であれば、
そもそもビジネスにはならないと思います。

事前にアレコレ様々調べ、
見切り発車せず、慎重に少しずつ進めていく。
それも、少しずつ進めて、
例えば実習制度であれば、お試し?的に一度受け入れてみる。
3年経験してみる。
ちゃんと喉元が通るのか、突っかからずに3年を全うできるのか。
一つ一つを丁寧に気を配りながら経験してみるのが、
イチバンの近道です。

そんなの事業でもなんでもない。
そうですね。
でも、そうしてみないとわからないことだらけでしょうね。
初心者マークのドライバーが、
いきなり時速300キロでも、安全に突っ走られれば、
目的地へ着くのも早いのですが、
カーブ一つで大事故にもなりかねません。
そんなの元も子もないですよね。

それに、一台の車に乗れる人数も限られています。
人財ビジネスに場合、車をたくさん用意する必要はありませんが、
ドライバーは増えれば増えるほど必要になります。
しかも最初から熟練のドライバーが。


法もろくに知らないのに、
現場もろくに知らないのに、
送り出し国へ仕入れの確保に余念のない方は、
ことごとく実現できないでしょう。


ルールすら知らずに、ゲームやスポーツで勝てるわけないのは、
当然ですよね。


ルールをちゃんと俯瞰的に網羅的に理解し、
さらにその変化に対応することが、求められます。


ルールを把握したとしても、
そのルールを守る場合、どういうことが起きうるのか、
言い出すとキリがありません。


新規参入者は、そもそも
収益を上げたくて参入するのでしょうから、
頑張って色々調べてみてくださいね。

そして、しっかり腰を据えて、
おカネを出す人自身が当事者意識をもって自らが取り組むか、
任せる担当者がよほど能力の高い方で、
相当な力を注いで集中して知識も経験も積み上げられて、
それも数年かけて、初めて事業としての体をなせるかどうか...かなぁ。

特に、現場をやって長い経験の、良心的な方に、
しかも、複数の方々に、様々ヒヤリングしましょう。


それが、リスクヘッジにもなります。

皮算用は楽しいですが、
いくら水を注いでも、
ビニール袋が穴だらけだと、
ふさぎ方すらわからないと、
事業にはなりません。

十分気をつけてくださいね。




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