ある国の空港での風景。
私たちは、こういう現実に思いを馳せて、忘れてはならない。







誰にだって大切な家族がいる。
自分を愛してくれている人がいる。
離れ離れになることを悲しむ人がいる。

様々な思いを胸に、
一人一人が、日本へきて働いてくれている。

毎日が矢のように過ぎ去っていく日々。
どうしてもこういう現実は忘れがち。

人は周りに見える景色の中で暮らしている。

どうやっても、一人一人に寄り添えない時がある。

でも、こうやって思い出すことはできる。

彼らにも、たくましくなってもらわねばならない。


『外国人労働者』

ひとくくりで表せば、一人一人の顔は見えてこない。

でも、一人一人、それぞれにそれぞれの事情や歴史があり、
理由があって、日本へ働きに来てくれている。


残された家族にしたら、
例え3年間と期限が区切られていたとしても、
次はいつ会えるのか、
本当のところはわからない不安も心配もあるのは当然だ。

まして幼子がいれば、こうやって足にしがみつき、

『お父さんいかないで...』

そう言葉に表すまでもなく、別れたくないのは当然のこと。


別に特別扱いをしなくちゃいけないわけじゃない。

だけど、
いつでも辞めて、どこでも働ける自由は、
良くも悪くも彼らにはない。

だからこそ、区別して、
日本人以上にお世話に努めてあげることは、
何ら特別扱いでもなんでもない。


彼らにも強い感情がある。

想定通りにいかない場合は、
やっぱり人の生き死にまで行き着いてしまう場合も。

そういう彼らを自社の都合で受け入れる企業には、
やはりそれ相応の責任がついて回るのは当然のこと。


彼らは家族の為に頑張る。

決して企業の為ではない。
少なくとも、この空港で別れを惜しんで旅立つ時点では。


労働力ではなく、人。

目の前のことしか見えない人ではなく、
その人それぞれの背景にまで、思いを馳せられるような人でありたい。

愚者は経験に学び、
賢者は歴史に学ぶ。

自分の経験にしか学べない人より、
他者の経験からも学べるのだからこそ、
日本は先進国であり、日本人は彼らを温かく迎えられるべきなのは、
当然というプライドをもっていたい。