昨年の法改正に伴い、派遣会社の労力とコスト負担が増えると同時に、
価格競争含め、廃業を余儀なくされる派遣会社が増えています。

既存先との関係や、薄利とはいえ、ある程度の規模さえ維持できているならば、
もっと増やせば経営は何とか回るのかもしれませんが、
増やせる人財が、そもそもいません。

募集経費は増えるばかりですし、人も来ない。

仕入れができない以上、売上も利益も増やせるはずもない。


潰れろと言わんばかりの現状です。




結果、派遣会社の営業マンも、まず特定派遣から一般派遣への乗り換えを考え、
リストラがおき、結果派遣社員も含め、
一般派遣の体力のある会社に移っていくことでしょう。


かたや、実習生事業。

正直、ブローカーはともかくも、実務を担う監理団体職員などは、
企業が受け入れる人財がまだまだ豊富なだけマシなのかもしれません。

いや、むしろ、外国人労働力に否が応でも焦点が当たり、
規制が厳しくなるものの、追い風は絶対なので、
この先、安泰と思えるかもしれません。


しかし、この業界も価格競争はすでに持ち込まれて久しく、
それほど儲かるビジネスとはいえないのではと思います。
一人あたりで生まれる粗利は、派遣事業の比ではないほどに、
薄利なのです。


そう、好きでやってる人でなくては、なかなか勤まらないことも
現実なのではと思います。


やり方は様々ですので、グレーばかりを攻め、抜くだけ抜いて、
ダメになったらポイ。

そんな意識で取り組んでいる監理団体には、
儲かってしょうがないと言えるのかもしれませんが。




ちなみに、派遣事業と実習生事業とは、似て非なる点が、それなりにあります。


労務管理は同様ですが、様々な制限が双方違うからです。


例えば、派遣では建設業界の現場作業員には対応できませんが、
実習生事業では、対象となります。


実習生事業では、請負や有料職業紹介はできません。


実習生事業では、派遣元企業の雇用ではなく、受入企業での直接雇用となります。


派遣事業では、36協定、変形労働など派遣先企業の雇用体系を確認することはありますが、
派遣先のタイムカードを確認し、自社との契約に準じた給与チェックをするのみです。


実習生事業では、雇用契約、雇用条件に基づいて、
36協定、変形労働などを確認し、受入企業が作成する出勤簿や給与などを、
チェックし、未払いの無いかどうか、長時間残業がないかどうか、
残業や休日出勤などの未計上がないかどうかを、毎月確認します。


派遣事業では、労働局の顔色を見ながら事業を進めますが、
実習生事業では、労働局はもちろん、入管の顔色を色濃く確認します。


派遣事業は、募集経費など自前ですが、
実習生事業では、受入企業負担です。


派遣事業では、派遣期間は都度都度更新ですが、
実習生事業では、1年ないし3年(現状では)と決まっています。


え~、言い出したらキリがありませんが、
実習生事業のほうが、やはりちょっと特殊なんですね。


国によっても手続きが若干違ったりしますし、そもそも人材確保に、
送り出し機関という、カウンターパートナーがいるということも
派遣事業とは大きな違いでしょう。



何が言いたいかと言いますと、人財がいてこそではありますが、

派遣も実習生も一長一短があるということです。


ダイバーシティなる言葉が生まれている現在。

様々に雇用の手法は、良いところをそれぞれ利用し、
不足するところを上手に補い合えればと思います。