久しぶりに賃金不払いのニュースを見ました。
結局会社は潰される(潰れる)ことでしょう。




未払い賃金、窮状訴え 中国人実習生5人会見
中日新聞 2017年6月9日
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20170609/CK2017060902000025.html


例のごとく縫製会社の件ですが、
本当に賃金の不払いは致命的なことになりかねません。

でも、残念ながら、会社に資金があれば支払えますが、
資金がないので、いくら法的に支払えといわれても、
ないものはないとなれば、いったいどうなるんでしょうね。


会社が倒産すれば、実習生はもちろん、日本の従業員も
賃金不払いで泣き寝入りするしかなさそうです。

こういう場合、雇用保険などの加入者でしょうから、
そこから支払われるものなのでしょうか。

支払われたとしても、満額ではないのかもしれませんね。
社労士の方、教えてください。


私がイチバン残念に思うのは、
この企業に受入手配した監理団体です。

監理団体も同様の責任を負い、
新聞やニュースにも名前が出てしかるべきでしょうけれども、
一切出てきません。

確かに、悪いのは受入れ企業です。
まっとうに賃金を支払えないのに、雇う資格も力もないのに、
受入を進めたとなれば、それは詐欺です。

人の人生を狂わせることを、平気でするのは、
私には信じられません。


いや、経営者として、事業存続に必死であったのかもしれません。
でも、結果は結果です。


少し前の新聞紙上に、
元請けが価格交渉に応じてくれないのは、
雇用を守るためにも、賃金上昇分を吸収できず潰れろと言わんばかりで、
社会的におかしいという記事が載っていました。
そこには、この数年で交渉の末、納品価格の上乗せが成立できた企業は
ほんの数えるほどでしかないとのことでした。

極めつけは、実習生保護に特段の力を入れ活動されている某団体の
責任者の方のコメントも載っていて、
そんな事態だとは知らなかった、元請企業にも責任があるんじゃないか、
などとおっしゃっていたのには、ビックリしましたが、


コレになぞるのであれば、この縫製企業に発注している元請け企業にも
その責任の一端があると言えます。

資本主義社会のビジネスの必然として、
出来るだけコストの安く良いものを作ることは、
競争社会においても、当然のことです。


縫製業は、どうあがいても、途上国での生産コストに、
そもそも勝てるはずもありません。


個人的には、先々を考えてみて経営者も会社をたたむ勇気がいる時代なのかと。

私に無責任に言えるはずもありませんが、
難しいところです。


ただし、情も背景も諸事情も一切関係なく、

賃金の不払いは、その支払いについて、法が強制力を働かせます。

それは、ええわええわでやっている中小企業にとっては、
刺されたら最後、過去何年にもわたって、その請求が発生します。

違う意味での人件費倒産のリスクは、大いに考えられます。

日本人であっても、外国人であっても、
今までもこれからも、まっとうに支払いに努めてきた企業だけが、
安心して今まで通りの経営ができそうです。


経営者並びに人事総務経理関係の方は、
今一度、賃金規定や出勤に対する報酬がきちんと法的に問題のかどうか、
社労士の方にも今一度厳しい目で細々確認、見直されることをお勧めいたします。

特に新制度下でも実習生受入を継続する場合、
賃金規定の見直しは、日本人と同等の給与の証明上も、
必須かもしれませんね。今のうちです。




ちなみに、以下、今までの新制度に対するコメントしてきたことを
まとめてみました。ご参考まで。


外国人技能実習の新制度における注意事項まとめ
http://gaikokujin.link/blog/751.html




宣伝です。


ご関心のある方は、以下よりどうぞ。

●『受入企業専用メール配信登録フォーム』

対象:実習生受入企業の社長またはご担当者の方、
   また受入を希望、検討されている方。

*推薦できる監理団体の紹介(斡旋ではないです)であったり、
 法改正後の具体的ルールなど、不定期に配信します。
 現監理団体へのご不満や確認事項、セカンドオピニオンなど、
 個別相互のご相談も可能です。
 監理費が適正価格なのかどうかも、
 私の主観でしかございませんが、お答えいたします。

 http://www.gaikokujin.link/member/cf/5y


●『監理団体専用メール配信登録フォーム』

対象:監理団体の方

*協同組合(監理団体)の方、良かったらご協力ください。
 様々お困りの受入企業の方のご相談対応等、お願いする場合がございます。

 http://www.gaikokujin.link/member/cf/qmcsb7


※サイト内に就業ビザでのお受入や人財会社向けの登録フォームもご用意いたしました。
※他に送出し機関や、上記に当てはまらない方は、
 サイト内のinfoメールアドレス宛に直接メールください。