技能実習生の中国人が減り続ける理由とその代替国について [技能実習生輩出国、送り出し機関の現実]
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現場をちゃんと取材して非常に親近感を持った記事を
ご紹介させていただきます。
また、今回は記事に対して、コメントさせていただきます。
日本で貯めた給与を元手に乳製品の小売店を開いた夏新さん
遼寧省瀋陽市 石田耕一郎氏撮影
朝日新聞デジタル 瀋陽=石田耕一郎2015年6月17日10時07分
中国人実習生、遠のく足 待遇よい国増加、円安も影響
http://digital.asahi.com/articles/ASH6H5WXZH6HUHBI033.html?_requesturl=articles%2FASH6H5WXZH6HUHBI033.html
以下記事原文 文中に⇒コメントあり。
中国の経済成長や急激な円安を受け、技能実習制度で訪日する中国人が
急減している。
実習生は工場や農村などの人手不足を補い、帰国後は等身大の日本を伝えて
対日感情を和らげる役割も担ってきた。中国人の出稼ぎ先は多様化しており、
日本の魅力を高められるかが問われている。
⇒本当に民間レベルでの個(中国人)⇔個(日本人)間の
『人材育成』であり、ひいては『国際貢献』であると思います。
そして、日本人一人一人の意識やモラルの高さを問われている
国際社会の一場面場面であることを強く訴えたいところです。
■「日本への印象変わった」
「長野で働いた3年で、中国の抗日映画で抱いていた日本への印象が
大きく変わった」。
中国東北部の瀋陽市で乳製品店を営む夏新さん(30)は、
買い物客をさばきながら語った。
2009年まで3年間、長野県佐久市で、カーネーションなどの栽培に従事した。
貧しい農家出身で、日本で当時稼いだ月給約15万円の中から貯金して、
今の店を開いた。
常連客の好みを覚え、賞味期限が近づいた商品は棚から取り除く。
「きめ細かなサービスには日本で学んだことが役立っている」。
周囲に日本人の礼儀正しさや仕事に取り組む熱心さを紹介。
夏さんの話を聞いて実習生として日本に渡った友人もいる。
大連市で花の栽培をする尚玉玲さん(30)も長野県の農家で、
中国人9人と実習生として働いた。夫やいとこも元実習生。
「鍛えられたし、栽培法など日本で学んだことは多い」と言う。
実習生は旅行者や留学生に比べ、勤務や日常生活を通じて日本人と密接に過ごし、
等身大の日本を知って帰国する。
遼寧省の仲介業者は「200人の募集に500人が応じたこともある。
『日本はいい』との話が広まり、日中関係悪化の影響は全く感じなかった」と振り返る。
11年の東日本大震災では、宮城県の水産加工場で働いていた中国人実習生らが、
日本人の工場幹部に助けられた。尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で日本批判が
強まっていた中国でも、日中友好の象徴として大々的に報じられた。
法務省の統計では、実習生は08年末に最多の約19万人を記録。
うち約14万6千人(約76%)が中国人だった。
中国は近いので旅費が安く、漢字で意思疎通がしやすいうえ、
外見や生活習慣が近いことなども中国人が広く受け入れられた理由とみられる。
一時は総数が15万人を割ったが、昨年末には約17万人に回復。
一方で、中国人は約10万人(約59%)まで減り続けている。
円安で人民元換算の月給が08年から7年で2割近く減ったことや
中国農民の所得増加、待遇の良い海外出稼ぎ先が増えたことが、
応募者減少に影響しているようだ。
中国東北部の仲介業者は募集時の年齢を28歳から40歳までに広げたが、
人集めは容易でない。
「(中国人客が多い)韓国のサービス業やアフリカの建設業など、
条件のよい出稼ぎ先が増え、競争は激しい」
中国人実習生の減少は、国内の給与水準がより低いベトナム人などの実習生が
補いつつあり、昨年末で約3万4千人と5年間で2・5倍に急増している。
⇒電車やバスに乗り込む際には、こぞって我先にと人を押しのける中国人が、
相手を思いやり、譲り合うことが常識として通用する日本社会で過ごすと、
一般的には、上述のように考えられる人間へと成長します。
騙されるほうが悪い、人が見ていなかったら仕事はサボればいい、
自分のことしか考えられない方が多い中国に、技能実習生として
日本の良さ、日本人の良さを体感して一人一人帰国していくことは、
正に真の国際交流であり、これが真の外交戦略でもあることと思われます。
しかしながら、時代は移り変わり、中国との経済格差が薄まったことと同時に
日本人に見落とされがちなことは、他の国への出稼ぎのほうが割が良いと
別の選択肢がきちんと提示されているということです。
当たり前ですが、日本の中小企業の経営者の方々は、未だに『雇ってやる』
という意識が高く、わざわざ『働きに来てもらっている』という感覚が薄い。
これは今後の国際感覚には大きなズレとなり、そのような会社は
ゆくゆくどの国の方々にも相手にされなくなってしまうことを
意識すべき時代でもあるということです。
加えて、中国人の次はベトナム人が『流行り』と記述されていますが、
ベトナム(人)も中国(人)と似通う点もあり、今がピークと私は思っています。
中国が経済発展したように、ベトナムもほんの数年たてば、今回の記事同様に
日本離れが加速することでしょう。
個人的にはフィリピンがお勧めですが、この点はまた機会を見つけて
コメントさせていただきます。
■「怒鳴られた」 摩擦生むことも
一方で、日本の受け入れ先の実習生への対応が、摩擦を生むケースもある。
大連市郊外で農業を営む男性(35)は
「日本ではよく怒鳴られ、残業代もけちられた」と憤る。
男性は09年まで3年間、長野県のレタス農家で働いた。
当初は日本人のまじめな仕事ぶりに感心したが、
繁忙期の残業中に日本人農民が時計を見つつ叫ぶ言葉に、印象が変わった。
「仕事、休み~。やめて」。
基本給に1時間単位の残業代が加えられる契約だったが、
残業50分で頻繁に仕事を打ち切られた。
月給は11万円余りにとどまり、「なるべく安く働かせたかったのだろう。
抗日映画で感じた反感がよみがえった」と語気を強めた。
日本の法務省によると、実習を巡る不正行為は昨年、日本の受け入れ先に
通知しただけで241件。ここ数年増加し、約400万円の給与不払いや、
給与の一部を強制的に管理して渡さないケースもあった。
農業や漁業が不正件数の約4割を占めた。
日本政府は労働力が不足する業界への実習生派遣を拡大し、滞在期間延長や
受け入れ先の監督を強化する方針だ。
だが、「技術を教える」としながら、実態は低賃金労働者として働かせる
といった姿勢では、中国以外の外国人実習生にも制度の魅力は伝わらない。
日中で働いた中国人の元仲介業者はこう釘を刺す。
「ささいな行き違いで実習生は日本への印象を悪化させてしまう。
受け入れ業者も実習生への対応が及ぼす影響を考え、海外の人材を
引きつける日本のイメージを保つ必要がある」(瀋陽=石田耕一郎)
⇒『怒鳴られた』『残業代をケチられた』
同じ日本人としてとても恥ずかしいことです。
日本と違い、中国だけでなく諸外国では人前で『怒られる』ことは
とても恥ずかしいことであり、時と場合によっては『命』を取られるほどに
恨まれるケースがあります。
これは生まれ育った習慣や環境が違うため、必ず理解して立ち回らなくてはいけない
大きなポイントの一つです。
また、『残業代をケチる』行為は、外国人のみならず、経営者などのレベルの問題です。
こういった会社では、日本人も同様に『ケチられます』。
どうせなら、定時内に終わるだけの業務効率の改善などに注力すべきではないでしょうか。
のんべんだらりと働く人ほど残業代がのし、キチキチ働く人ほど定時内に終わって
残業代はつかない、などの外国人を問わない問題は永遠の課題ではありますが、
経営者として太っ腹な姿勢を見せるほうが、結果的に好転することも多いことと思われます。
些細なことが積み重なり、そんなケースが増え続けると、来日する実習生の人数も
増え続けるため、当たり前のように深刻な問題やメディアに取り上げられるような事件が
発生してしまいますが、それもこれも監理団体である組合が、きちんと指導し、
指導に従えない企業には、一蓮托生な制度でもあるため、よけいに毅然と受入対応拒否の
姿勢を明確に示していくことが大切だと思います。
上から目線なお話をしているわけではなく、必要最低限なルールやモラルに目をつぶり続けると、
必ず大きな問題となって我が身に降りかかることを、組合も受入企業もいい加減に
理解してほしいと思う今日この頃です。
取り留めもなくコメントしてしまいましたが、外国人技能実習制度の
実態の理解の一助となれば幸いです。
長文にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。
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現場をちゃんと取材して非常に親近感を持った記事を
ご紹介させていただきます。
また、今回は記事に対して、コメントさせていただきます。
日本で貯めた給与を元手に乳製品の小売店を開いた夏新さん
遼寧省瀋陽市 石田耕一郎氏撮影
朝日新聞デジタル 瀋陽=石田耕一郎2015年6月17日10時07分
中国人実習生、遠のく足 待遇よい国増加、円安も影響
http://digital.asahi.com/articles/ASH6H5WXZH6HUHBI033.html?_requesturl=articles%2FASH6H5WXZH6HUHBI033.html
以下記事原文 文中に⇒コメントあり。
中国の経済成長や急激な円安を受け、技能実習制度で訪日する中国人が
急減している。
実習生は工場や農村などの人手不足を補い、帰国後は等身大の日本を伝えて
対日感情を和らげる役割も担ってきた。中国人の出稼ぎ先は多様化しており、
日本の魅力を高められるかが問われている。
⇒本当に民間レベルでの個(中国人)⇔個(日本人)間の
『人材育成』であり、ひいては『国際貢献』であると思います。
そして、日本人一人一人の意識やモラルの高さを問われている
国際社会の一場面場面であることを強く訴えたいところです。
■「日本への印象変わった」
「長野で働いた3年で、中国の抗日映画で抱いていた日本への印象が
大きく変わった」。
中国東北部の瀋陽市で乳製品店を営む夏新さん(30)は、
買い物客をさばきながら語った。
2009年まで3年間、長野県佐久市で、カーネーションなどの栽培に従事した。
貧しい農家出身で、日本で当時稼いだ月給約15万円の中から貯金して、
今の店を開いた。
常連客の好みを覚え、賞味期限が近づいた商品は棚から取り除く。
「きめ細かなサービスには日本で学んだことが役立っている」。
周囲に日本人の礼儀正しさや仕事に取り組む熱心さを紹介。
夏さんの話を聞いて実習生として日本に渡った友人もいる。
大連市で花の栽培をする尚玉玲さん(30)も長野県の農家で、
中国人9人と実習生として働いた。夫やいとこも元実習生。
「鍛えられたし、栽培法など日本で学んだことは多い」と言う。
実習生は旅行者や留学生に比べ、勤務や日常生活を通じて日本人と密接に過ごし、
等身大の日本を知って帰国する。
遼寧省の仲介業者は「200人の募集に500人が応じたこともある。
『日本はいい』との話が広まり、日中関係悪化の影響は全く感じなかった」と振り返る。
11年の東日本大震災では、宮城県の水産加工場で働いていた中国人実習生らが、
日本人の工場幹部に助けられた。尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で日本批判が
強まっていた中国でも、日中友好の象徴として大々的に報じられた。
法務省の統計では、実習生は08年末に最多の約19万人を記録。
うち約14万6千人(約76%)が中国人だった。
中国は近いので旅費が安く、漢字で意思疎通がしやすいうえ、
外見や生活習慣が近いことなども中国人が広く受け入れられた理由とみられる。
一時は総数が15万人を割ったが、昨年末には約17万人に回復。
一方で、中国人は約10万人(約59%)まで減り続けている。
円安で人民元換算の月給が08年から7年で2割近く減ったことや
中国農民の所得増加、待遇の良い海外出稼ぎ先が増えたことが、
応募者減少に影響しているようだ。
中国東北部の仲介業者は募集時の年齢を28歳から40歳までに広げたが、
人集めは容易でない。
「(中国人客が多い)韓国のサービス業やアフリカの建設業など、
条件のよい出稼ぎ先が増え、競争は激しい」
中国人実習生の減少は、国内の給与水準がより低いベトナム人などの実習生が
補いつつあり、昨年末で約3万4千人と5年間で2・5倍に急増している。
⇒電車やバスに乗り込む際には、こぞって我先にと人を押しのける中国人が、
相手を思いやり、譲り合うことが常識として通用する日本社会で過ごすと、
一般的には、上述のように考えられる人間へと成長します。
騙されるほうが悪い、人が見ていなかったら仕事はサボればいい、
自分のことしか考えられない方が多い中国に、技能実習生として
日本の良さ、日本人の良さを体感して一人一人帰国していくことは、
正に真の国際交流であり、これが真の外交戦略でもあることと思われます。
しかしながら、時代は移り変わり、中国との経済格差が薄まったことと同時に
日本人に見落とされがちなことは、他の国への出稼ぎのほうが割が良いと
別の選択肢がきちんと提示されているということです。
当たり前ですが、日本の中小企業の経営者の方々は、未だに『雇ってやる』
という意識が高く、わざわざ『働きに来てもらっている』という感覚が薄い。
これは今後の国際感覚には大きなズレとなり、そのような会社は
ゆくゆくどの国の方々にも相手にされなくなってしまうことを
意識すべき時代でもあるということです。
加えて、中国人の次はベトナム人が『流行り』と記述されていますが、
ベトナム(人)も中国(人)と似通う点もあり、今がピークと私は思っています。
中国が経済発展したように、ベトナムもほんの数年たてば、今回の記事同様に
日本離れが加速することでしょう。
個人的にはフィリピンがお勧めですが、この点はまた機会を見つけて
コメントさせていただきます。
■「怒鳴られた」 摩擦生むことも
一方で、日本の受け入れ先の実習生への対応が、摩擦を生むケースもある。
大連市郊外で農業を営む男性(35)は
「日本ではよく怒鳴られ、残業代もけちられた」と憤る。
男性は09年まで3年間、長野県のレタス農家で働いた。
当初は日本人のまじめな仕事ぶりに感心したが、
繁忙期の残業中に日本人農民が時計を見つつ叫ぶ言葉に、印象が変わった。
「仕事、休み~。やめて」。
基本給に1時間単位の残業代が加えられる契約だったが、
残業50分で頻繁に仕事を打ち切られた。
月給は11万円余りにとどまり、「なるべく安く働かせたかったのだろう。
抗日映画で感じた反感がよみがえった」と語気を強めた。
日本の法務省によると、実習を巡る不正行為は昨年、日本の受け入れ先に
通知しただけで241件。ここ数年増加し、約400万円の給与不払いや、
給与の一部を強制的に管理して渡さないケースもあった。
農業や漁業が不正件数の約4割を占めた。
日本政府は労働力が不足する業界への実習生派遣を拡大し、滞在期間延長や
受け入れ先の監督を強化する方針だ。
だが、「技術を教える」としながら、実態は低賃金労働者として働かせる
といった姿勢では、中国以外の外国人実習生にも制度の魅力は伝わらない。
日中で働いた中国人の元仲介業者はこう釘を刺す。
「ささいな行き違いで実習生は日本への印象を悪化させてしまう。
受け入れ業者も実習生への対応が及ぼす影響を考え、海外の人材を
引きつける日本のイメージを保つ必要がある」(瀋陽=石田耕一郎)
⇒『怒鳴られた』『残業代をケチられた』
同じ日本人としてとても恥ずかしいことです。
日本と違い、中国だけでなく諸外国では人前で『怒られる』ことは
とても恥ずかしいことであり、時と場合によっては『命』を取られるほどに
恨まれるケースがあります。
これは生まれ育った習慣や環境が違うため、必ず理解して立ち回らなくてはいけない
大きなポイントの一つです。
また、『残業代をケチる』行為は、外国人のみならず、経営者などのレベルの問題です。
こういった会社では、日本人も同様に『ケチられます』。
どうせなら、定時内に終わるだけの業務効率の改善などに注力すべきではないでしょうか。
のんべんだらりと働く人ほど残業代がのし、キチキチ働く人ほど定時内に終わって
残業代はつかない、などの外国人を問わない問題は永遠の課題ではありますが、
経営者として太っ腹な姿勢を見せるほうが、結果的に好転することも多いことと思われます。
些細なことが積み重なり、そんなケースが増え続けると、来日する実習生の人数も
増え続けるため、当たり前のように深刻な問題やメディアに取り上げられるような事件が
発生してしまいますが、それもこれも監理団体である組合が、きちんと指導し、
指導に従えない企業には、一蓮托生な制度でもあるため、よけいに毅然と受入対応拒否の
姿勢を明確に示していくことが大切だと思います。
上から目線なお話をしているわけではなく、必要最低限なルールやモラルに目をつぶり続けると、
必ず大きな問題となって我が身に降りかかることを、組合も受入企業もいい加減に
理解してほしいと思う今日この頃です。
取り留めもなくコメントしてしまいましたが、外国人技能実習制度の
実態の理解の一助となれば幸いです。
長文にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。
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