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特定技能の転職トラブルが少し表面化してきた… [特定技能]

カネだけで動くモンスターはもちろんのこと、
特定技能者の一時帰国で狭間に陥る法の隙間?が生まれてきている。

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技能実習の転職問題を人権派の方々が鬼の首を取ったかのように、
懸命に訴えている。

(余談)
ちなみにこういう方々の大半は、
次から次へとまた別の問題を見つけ、
廃止廃止と訴えるだけで、
何ら具体的に建設的生産的行動には移さないので、
どうも好きにはなれない。

自分たちが声高に批判し続けたからこそ、
制度を良くしている…
潜在的な被害者を救った…
という自負などあるのでしょうけど、
別にそんなことしてもらわなくても、
笑顔は量産できている。

やはり私は現場で取り組む側を応援したい。




一方、特定技能においては、
転職は可能となっているから、まったくもって批判がない。苦笑


転職…コレが良いのか悪いのか。

現実は屁理屈より奇なり。

転職できる特定技能で、どんなことが起こっているのかを具体的に上げてみる。

ちなみに、正に『風が吹けば桶屋が儲かる』が実現している。

つまり…

Aさんは転職できるからと、
A社を離職した。

このAさん、過去に技能実習生で、
特定技能になってα社からA社へ転職した人。

A社で2年間は特定技能で頑張っていたけど、
さすがに一時帰国したい…

でもA社では有休消化含め、
規定通り、日本人同等の就業規則にのっとった休みしか与えられない。

結果、自分の意見が通らないAさんは、
A社を離職することになる。

同時に、Aさんもアホじゃないので、
自分でB社を見つけてきて採用を勝ち取った…らしい。

B社は、
Aさんは日本にいて、この人材ならと採用を決めたのでしょう。

ですが、B社にしてみれば、
Aさんが一時帰国を希望しているならば、
B社に入社する前に一時帰国してきてほしい。

自然なことだし、当然ですね。

ただしその場合、
Aさんが一時帰国する前に、
B社でAさんの在留資格変更手続き(ココでは所属機関の変更ですかね)の、
手続き申請を行ってもらう必要がある。

これさえしておけば、
みなし再入国での一時帰国が可能。
(入管も就職先あっての入国とわかるから)
*なおここでは細かな条件があるも割愛。


ただし、

Aさんはソコまでわからないけど、
B社ないしソコに付き合いのある業者(行政書士でも登録支援機関でも)が、
この、「Aさんの帰国前に申請手続きを済ませておく」をしないまま、
Aさんを帰国させてしまった場合、

B社は、新たにAさんを招聘する際には、
その国の送り出し機関との提携をせねばならない。
(今回はベトナムのケースであって、他国はまた一味違う)

ベトナムでいうなら、新たに推薦状持参で、
現地日本大使館へビザ申請に出向かねば、
日本へ渡航しても入国は許可されない。

結果、送り出し機関へ1か月分以上のコストを支払うことになるし、
そもそもがベトナムという国では、
特定技能は儲からないからと手続きをやりたがらない先も少なくない。

はたしてB社はそんな送り出し機関を見つけることが可能なのか。
いや、それ以前に、B社にしたら、どうして1か月分の給料を、
現地送り出し機関に支払わねばならないのかの理解が可能かどうか。

そこまでしてB社はAさんを雇用したいのか…


今回のケースでいうと、
Aさんは2年も特定技能で働いているため、
どれだけ日本慣れしてるとしても、
残り2年ちょっとしか働けない特定技能者のために、
ソコまでのコストと手間暇をかけて、
受け入れたいと思う会社は、どれだけあるのか。

結論として、
Aさんは、日本に再来日して稼げる機会は、
確率論的に厳しいものとなるコトでしょう。

コレ、Aさん、B社が求めていた結果にはならないってこと。


ひとえに、
「Aさんの帰国前に申請手続きを済ませておく」
ってことをしなかっただけで、
Aさんの人生設計は大きく狂う。

コレは、Aさんにしてみたら、良かったのかどうか。

就労制限が様々ある外国人労働者の、
今回でいえば特定技能者の転職は、
色んな意味で大きな制限、ハードルが横たわっている。


冒頭、騒いでいる人権派の方々は、
こういう現実を生み出したいから、
騒いでいるのだろうか。


業者がプロとして
俯瞰的に両国にまたがる各手法やルールなどを十二分に承知の上で、
全体最適を実現できるかどうか。

身もふたもない言い方をするならば、
B社も付き合う業者が実力不足で残念でした…でおしまい。

Aさんもまた、支援してもらえる業者がわかっていなくて、
残念でした…でおしまい。

コレ、いくら制度で転職を認めたからって、
実際に機能すると思いますかね?


今あげたのは一つのケースであって、
他にも山ほどのケースバイケースが起きている。

そんで、その都度、
人権保護の複雑怪奇な両国ルールのおかげで、
現実は泣き顔が量産されている。


一方、技能実習は至極シンプル。

3年雇用するか、
途中帰国するか。
(現状でも実習生のワガママな話でなければ、転籍は認められてるし、その努力を惜しまない方は少なくない)

借金で縛られてるから…

はい、ソレがイヤでかわいそうなら、
借金しない国を選べばよい。

いや、先日の調査で6カ国ではありながら、
フィリピンみたいにたかだか数万の「自己都合の借金」程度ならば、
来日後に数カ月稼ぐだけで、借金自体もすぐになくなる。
*自己都合の借金=送り出しや仲介者、受入先へ支払うような借金じゃないって意味。


なお、余談ながら、
Aさんは脱退一時金狙いでの一時帰国でもある。

この場合、
A社ないしAさんの気分や都合で退職するのは構わないものの、
退職日=帰国日(での転出届)にしないと、
厚生年金→国保切り替えが必要となる。

こういうのも適切に手続きしておかないと、
B社での申請もまた、疑義がある…不備がある…などにて、
許可が下りない場合も考えられる。

どこまでも多面的に俯瞰的に網羅的に、
ケアしていくべき問題なんですが、
この関係当事者の方々の中で、
どれだけコレラの視点と全体最適化能力を持ち合わせている人がいるのかどうか。


現状において、
こういう十分なケアができるだけの、
マトモな業者はどれだけいるんでしょうね。



コレって、制度の問題なんでしょうかね。


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