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介護の技能実習生受入の絶望とは... [介護 技能実習生]

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介護の技能実習生の受け入れをもくろむ方々が、
当方にまで延々と様々ご相談が続くので、改めて...

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介護の外国人実習生、どう受け入れる? 施設同士が座談会
福祉新聞 2018年03月23日
http://www.fukushishimbun.co.jp/topics/18646

意見を出し合い、ケーススタディから学びを得ることは、
とても大切で大事なことです。
介護の実習生受入を成功させるためには。
でも、日本サイドだけで話し合いをしていても、
人財の、外国の現実を理解できていなければ、
制度という法を理解していなければ、
成功はあり得ません。


なぜ、私が相談を受ける中で、
絶望を理解したうえで、
屍を乗り越えてでも取り組み続ける覚悟があるかどうかを
お話し続けているのかについて、
思いつくところを列挙して、改めてまとめてみました。


まず、本当のことを知らない人が
旗を振って募集しているケースがあまりに多い。
集めている側、集まっている側は、現実や現場を知らない方々。
稼げるとだけ信じて後先考えなさすぎでも踊ってしまう実習生や、
自分の利益しか考えていないあまりに考えが浅い送出し機関の言葉に
踊らされている方々。

*加えて言うならば、監理団体側、送り出し機関側にも、
 介護の現実も現場も知らない方が多い。



実は、募集時に本当のことを言うと、
受入施設側からも依頼はなく、実習生も集まらない。

本当の現実がわかっていればいる先ほど、
監理団体もやりたがらないし、
送り出し機関もやりたがらない。


以下、当然のことを言います。

まずは、受入施設側の視点。
受入する前の事前教育コストが想像以上にかかる。
実態はいつまでたっても来ない。
来たら来たで育てるのに手間がかかる。
技能検定に合格させられなければ途中帰国。
日本語検定もN3相当に合格させられなければ途中帰国。
ちなみに監理団体も送り出し機関も保証は出来ない。
2年半後には更に上位の技能検定に合格させなければならない。
プラス2年は自動的に延長ではなく、転籍の選択肢が与えられるため、
他の施設に行く可能性がある。
総合的にコストパフォーマンスが計算通りにいくケースばかりではない。
事前教育に重きがおかれるも、配属後になって、
こんな大変な仕事とは思わなかったと、外国人ならではのくじける可能性が高い。
技能実習指導員の人柄や対応次第で、使えないお荷物人材と成り下がる。
スキルや日本語能力ばかりに目が行き、
イチバン肝心な性格適性などのスクリーニングは、
ほとんどの送り出し機関が実施出来ていない。
する意味が理解できない。
外国人、送り出し機関のOK OKに、
後になって騙されたとなるリスクが非常に高い。
日本の常識は通用しないし、
お金を支払う側の思う通りには行かない現実を
なかなか理解出来ず、許容も出来ない。
セクハラ、パワハラがあれば、日本人のように黙っていられない外国人に、
潜在していたリスクが顕在化し、
その責任は受入施設側が取らねばならないことを、
理解も許容もできない。

…キリがない。


監理団体側の視点。
他職種の受入と比較して、総じて旨味が全く無い。
旨味どころか、手間暇、リスクが非常に高い。
現実的な行く末を理解していればいるほどやらない、
やりたがらない。
やりたがるのは、机上の数字しか見えていない、
先見性のない経営先。
もしくは、踊ってスタートして辞めるに辞めれないところ。
後になればなるほど、当初とつじつまが合わなくなっていく。


送り出し機関側の視点。
監理団体同様、特に経営が成り立たないから、
やらない、やりたがらない。
特に送り出し機関はボランティアでもなんでもなく、
利益を追い求めねばならない。
社会貢献、しかも他国の...考えられない。
やりたがる先は、先行きのことなど全く見えていない、
もしくは実習生から裏からむしり取ることしか考えていない
浅はかな経営者先ばかり。


実習生側の視点。
他職種のほうが、ハードルが低く、
特に選ばれても、いつまでたっても許可が出ないし、
短期間では日本語検定に受からないという現実が分かれば、
介護を選ばない。


残念ながら、今現在、人手不足で介護介護と踊っている方々の
大半は、実習生、送り出し機関、監理団体、受入施設全て、
複雑かつ見えにくいお互いの現実に目が届かずに、
偏った見方からだけで、俯瞰的かつ入口から出口までを
ちゃんと地に足つけて見通せず、
片道切符になりがちな現実に気づきもせず、
勢いや惰性、始めてしまった責任から、
立ち止まったり、断念することすら出来ず、
行き着くところまで行く結末を迎える。
その中でも大半が残念ながら周りに迷惑を撒き散らして
空中分解すると思われる。

タチの悪いのは、今まで事業を立ち上げ成功してきた経営者の方々。
多少なりとも、結果を出して来た方々。

他と比べて俺なら出来ると意気込み、
周りを巻き込んで振り回し、
結果、尻切れとんぼ。

そして、実際に自身で失敗しないことには、
まず気づかない。
いくら事前に注意しても。


結果、社会で介護の外国人技能実習生の受入は
問題ばかりと批判され、否定的な空気が定着する。
全くもってEPAと同じ。


貴方は当てはまっていませんか?
せめて前述の各種ポイントを全て抑えて、
総合的に解決出来ていますか?

上手く進まないリスクをきちんとコントロール出来ていますか?

間違えないで頂きたいのは、
そんな屍を踏み越え進む覚悟で、
現実的なレールを敷くことを真剣に臨むならば、
それは絶対的に必要不可欠であり、
それらの先にしか、姥捨山化の回避手法は見えて来ない。

せめて、体力があり、許容力のある施設で、
気持ちのある人格者が密に接することで、
成功実績を築き、そのノウハウを独り占めすることなく、
シェアして成功事例を増やして行くことが、
できたならと、願うばかりです。


日本人、外国人問わず、人財一人一人の人生の行く先を、
お互い理解に努め、共に支えながら歩んでいくだけの
覚悟や思いやり、気遣いがなければ、
誰もが使える人財にはならないし、定着もあり得ない。

マクロも大事ですが、ミクロの視点を大切にできない限り、
成功はないと思います。


失敗談も、成功事例も含め、
気持ちのある方々と共に、
現実に即したレールを見つけ築き上げていければと願ってやみません。

焦って急いでも良いことは一つもありませんので。

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