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計10年の「特定技能(仮)」について考えてみた。 [益々多様化する日本]

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計10年を考えてみた。
誰にとって?によって大きく変わります。

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まず大前提として、確定したルールでもなく、
また施行期日もはっきりしていないので、
介護同様、アンテナを張っておく程度に考えてみます。



まず、実習実施機関にとって。
10年いてくれたなら、言うまでもなくありがたい限りでしょう。

でもね、3年はともかくも、まず+2年を過ごすためには、
その職種の2回目の技能検定に合格せねばなりません。
以前と同じ賃金でもいけません。
尚且つ、他の職場の選択肢も提示されます。
全てとは言いませんが、東京一極集中でしょう。

今後の東京圏では3号しか受入しない
なんてところも出てくるかもしれませんね。

ただし、その子の性格も仕事に対する姿勢も、
日本語が3年でどれだけ話せるようになっているのかも、
何もわからず受入決定はしないでしょうから、
具体的にはどうなっていくのでしょうか。

そもそも、監理団体はともかくも、
紐づいている送り出し機関のスイッチなど対応できるものでしょうか。

その権利を維持するための様々な尽力も、
意外と小さくありません。


そのうえで、さらに+5年。
しかもそれば、ニュースで見る限り、農業、建設、介護の3つだけ。

対象外職種先では、全く関係ないこととして、無関心でしょう。



次に監理団体にとって。
3年+2年についてまでは、受入企業同様に品行方正を続けるだけの
膨大な業務量を維持できるか、その見返りと計算して、
『特定』のままでいる監理団体も出てくるのではとも考えられます。

つまりは、さらなる+5年なんて非現実的とばかり、
バッサリ見切りをつけている考え方ですね。

ただ、世間一般的には、『一般』を目指すべき風潮があり、
OTITもお役所も色眼鏡で見られる可能性もあるため、
世間様の流れを見ながらの判断となるかと。

逆に積極的に+5年を狙いに行くところもあるかもしれません。
ただし、『特定技能(仮)』という新しい在留資格は、
おそらく監理業務を必要としないと考えるべきかと思います。
監理団体がお手伝いすべき需要は、
在留資格変更の手続き程度のものではないかと。

よって、この点が明確にならない限り、
監理団体にとって、良し悪しの判断はなく、
+5年を積極的に狙っていこうと考える先も少ないことでしょう。


次に、送り出し機関にとって。
監理団体同様ですね。
送り出し機関として必要となる業務、
また振りかざせる権利、権益がない限り、
+5年どころか、その前の+2年ですら、いかがなものかと。

ちなみに、監理団体のように、
送出し機関側には、『一般』と『特定』の違いはないので、
それも良いのか悪いのか。



最後に実習生にとって。
26万人いる実習生の中には、
日本に恋い焦がれて、母国の自身のおかれていた環境と比べて、
日本に居続ける道を選択したい人は、
少なからずいらっしゃると思いますが、
必ずしも全員なワケないです。

ですが、若い身で母国を離れ、ほとんどが同性数人との生活を
3年余儀なくされ、
異性とも付き合いたいし、家族も持ちたいし、
親の顔も見たいし、安心させてあげたいし、
+2年でさえ、躊躇し、一時帰国が前提ですが、
その時に里心ついて、「やっぱやーめた」ってなる子も出てくるでしょう。

それを乗り越え、+2年を過ぎる頃に同様な葛藤があり、
さらにその中の一握りが、+5年を狙いに来るように思われます。

もしかすると、受入企業側や監理団体、送り出し機関、
それぞれが面倒の割にメリットが少なく割に合わないとして、
+2年や+5年を進めないよう導くことすら考えられます。

加えて、10年のスパンによる、
日本と海外諸国との経済格差の薄まる確率は、
過去10年を振り返ってみても当然です。

なぜ中国からベトナムにシフトしたのか。

なぜ今、ベトナムは中国同様にピークを迎え、
他国が増えてきているのか。

実習生も目先のお金だけではなく、
くしくも日本国内での様々な経験を通して、
帰国して自国でステップアップを図ったほうが、
よりストレスなく、自身の生活が安定すると気づき、
そう考えるようになるとは思いませんか?
10年は短いようで長いです。

ハタチは30歳になりますし、
25歳は35歳になります。
30歳は40歳になります。


よって、日本側の一方的な思惑は、
現実的には機能しない可能性が高いかと。


どこまでいっても、win-winにならない限り、
どこかでフン詰まって、止まってしまいます。

さらには、レールが長いため、
どこかで穴を空けたがる悪質ブローカーが群がり、
相当な結束のあるレールを敷設できなくては、
水はきれいなまま遠くまで順調に流れていきません。


なんだか介護の時と同じ感じがしています。

当時からハードルが明確化する前から、
振り回されないようにと警鐘を鳴らしてきました。

ハードルが明示されたら、余計にこれはこういう意味だから、
これだけ難しいとお伝えしてきていました。

それでも、
踊る送り出し機関やブローカーによって、
振り回される方々がとても多くいます。


いや、当然です。私にはそれだけの影響力などないですから。汗

でも、意味をご理解いただいてきた方は、
振り回される範囲は少なくなっていらっしゃるのではと思います。


それも、ご自身の中で、確固たる信念のある方は、
よけいに。

先々をちゃんと考えて今の手を常々打っていかねば、
後々大変なことになり後戻りできないとお分かりの方はよけいに。



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