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三菱への実地検査から考える事前対策 [行政の対応や思惑]

三菱の続報がいろいろ出てますね。

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「慣例」に引きずられる技能実習生 連携取れぬ現場と法
朝日新聞DIGITAL 2018年5月25日05時02分
https://www.asahi.com/articles/ASL5L5J6GL5LOIPE026.html?iref=pc_rellink


制度を熟知せず、本社は現場に任せきり。
チェック態勢もなかった。
実習生を初めて受け入れた2008年から見逃されてきた疑いもある。
工場内には実習内容に見合う複雑な溶接現場がなかった。


三菱自動車首脳「軽く考えてはいけない」 技能実習巡り
朝日新聞DIGITAL 2018年5月25日13時31分
https://www.asahi.com/articles/ASL5T4392L5TULFA011.html?iref=pc_rellink


フィリピン大使館への説明も指示


三菱自の技能実習不正 監督機関が岡崎製作所を実地検査
朝日新聞DIGITAL 2018年5月28日14時56分
https://digital.asahi.com/articles/ASL5T4693L5TOIPE00D.html?rm=310


計画と異なり、技能実習として認められない
車体の組み立てや簡易な溶接をさせていた
三菱自が技能実習生の受け入れを始めたのは08年で、
実習制度への理解が不足していたといい、
問題が常態化していた可能性もある。
国は、機構の検査結果を待って、三菱自や、
三菱自に実習生を紹介した監理団体「協同組合フレンドニッポン」
への行政処分が必要かどうかを検討する。

三菱自は近くフィリピン大使館に出向き...


以上、それぞれ記事の一部を抜粋紹介しました。


ポイントは3つ。

一つは、実習計画との齟齬があれば、
法令違反として取り締まられるということ。
刑事罰や罰金がつき、経営陣のみならず、
実習計画申請時に名前を出し、踏み絵を踏んだ人たちは、
すべからく罪に問われてしまうということ。
許可の根本要因である必須作業の工程がないのは、
取り繕うことすらできないということ。


二つ目は、今までの記事と大きく違うのは、
協同組合フレンドニッポンという監理団体名が記事に出ているということ。
さすがに個人名までは出ていませんが、
今までに企業側の名称は公表されていたにせよ、
良くも悪くも監理団体名までは出ていなかったのに、
どこぞにリークしたのがフレンドニッポンだったにせよ、
名前が出ているということ。
記事を見る限り、協同組合の責任も取らされるリスクがあるということ。
受け入れる前の指導であればまだしも、受け入れた後の監査でわかったとなれば、
事前の作業工程実態確認を怠ったとして、
指導で終わればまだしも...ってとこじゃないでしょうか。
目をつけられたなら、フレンドニッポンからの受入先も、
一斉調査に上げられる可能性もあるやもしれません。
HPを拝見するになんの表現もでてはいませんでしたが、
年間1,000名を超える受け入れをしているとのことにて、
どうなってしまうのでしょうか。


三つ目は、フィリピン大使館へも説明しに行かねばならないということ。
これは、どの国でも同じかもしれませんが、
その国の大使館まで
謝罪と状況説明に赴く必要に迫られる可能性があるということ。

特に背稼ぎビジネス大国のフィリピンの場合、
大事な商品でもある自国民を保護しないと人気商売に勝てない政治家が、
人権保護、労働者保護のために、色々なルールを独自で強いています。

最悪の結末は、三菱は世界においてフィリピン労働者を雇用できなくなるかもしれないし、
*フィリピン労働省、海外雇用庁などのブラックリストに載るようであれば。
フレンドニッポンは適切な監理ができない団体として、
今後のフィリピン人労働者(実習生)の受入はできなくなるかもしれません。
*当然ながら、悪意がなく、適正指導の結果だと主張し、
 フィリピン労働者の人権を守るために自らリークしたと訴えることでしょう。

だからこそ、監理費という売り上げが入ってこない中、
フィリピン実習生の他への転籍先を探し、
フィリピン大使館内のPOLOへの状況説明に都度訪問し、
事後処理についてもフィリピンのために=自組合と受入企業先を守るために、
懸命に取り組み続けねばなりません。



全ての原因は、ただ一つだけ。
前述の一つ目の実習計画の齟齬。

この一点が守られていなかっただけで、
ここまでの事態になるということ。


最後にもう一つ。

実習計画にさえ載っていれば、
法令違反ではないということ。

急な実地検査にまでなるのは、
やはり問題が起きているとリークがある先がほとんどということ。

法的な公表では、受入企業側で3年に一度、監理団体で毎年一度、
抜き打ちでどこまでくることやら。
*ちなみに会員間では、監理団体への抜き打ち検査は実際に複数あり、
 それぞれ何をどこまでどの程度チェックされたかについて、
 情報交換さえ行われています。
 順次、受入企業へも実地検査は抜き打ちで来ているのかもしれませんね。


『知らない』ってとても怖いことです。
『知ろうとしない』って、もっと怖いことです。



明日は我が身と、身を引き締めなおしましょう。


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