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外国人技能実習制度の法改正の法務委員会議事録について5-2 [技能実習生の法改正]

昨日の続きです。

昨日の記事はコチラから。
http://ginoujissyuusei.blog.so-net.ne.jp/2016-04-30


記事の流れをご確認くださいませ。
でないと話が続かないと思われます。汗


⑤さらに伺いますが、この件で、ベトナム人実習生の受け入れ先確保は受け入れ機関の責任であったと。
 ベトナム人技能実習生を支援している労働組合の担当者の方からは、
 受け入れ先確保に本当に走り回った、
 ことし2月1日、新たな受け入れ機関での在留資格の許可申請も行った、
 名古屋入管は、提出した書類に不備はないとした、
 ところが法務省は、失踪の原因となった受け入れ機関の不正処分を
 当該実習生に知らせることもなく、在留期間の切れる3月16日になって、
 昨年9月に特定活動を許可してからの期間について
 調査を延長するとしてきたということなんです。

 伺いますが、失踪の原因が受け入れ機関等の不正行為であることが明らかになった時点で、
 昨年8月にこの方が申し出た技能実習の在留資格期間延長を認めるべきではないかと思いますが、
 いかがですか。


 個別の案件についての答弁は差し控えさせていただきたいと思いますが、
 一般論として申し上げますと、失踪した技能実習生から
 在留期間の更新の許可申請等があった場合のことになりますけれども、
 技能実習生が失踪した理由でございますとか在留を希望する理由、
 さらには当該技能実習生がどのような在留状況で経過して今日に至っているか等の
 諸事情を考慮いたしまして、個々の事案に応じて在留期間の更新を認めるなど、
 適切に対応することになります。


 既に出頭してから九カ月もたっている、この間、友人たちの支援や労働基準監督署の協力もあって、
 不払い賃金を取り戻すなどやってきたんだけれども、それも限界だと。
 今回の引き延ばしは強制帰国の理由をつくるためではないかというふうに
 労働組合の担当者から伺いました。
 労働組合の方は、監理団体の不正が明らかになった後もこれを実習生に伝えず、
 いたずらに調査期間を引き延ばしたことは人権侵害に当たるということで、
 日弁連に人権救済を申し立てたわけですが、3月18日に受理されております。

 技能実習制度は、米国人身売買報告書においても人権侵害の温床となっていると
 指摘をされておりまして、法務省の帰国ありきの対応はこれを助長することになるということで、
 厳しく指摘をし、改善を求めたいと思います。


・・・う~ん、わかります。
けっきょくお役所が縦割りであり、加えて、個別案件対応調整が機能していないからです。
この辺りは関係省庁を横断しているため、そもそも法律の限界を感じてしまいます。

要は、対応が遅いし、個別案件への回答に責任が取れないお役人様ばかりだから。
けっきょくもたもたしている間に、在留期限が迫り、結果帰国させてしまって、
この件は終了となる。

確かに問題ですね。
しかし、この件、もし労働者側(実習生側)に問題があった場合、
いったいどうするのでしょうか?
人権保護を訴えるのは構いません。
しかし、監理団体保護、受入企業保護の視点がまったくないのもいかがなものかと。
弱者救済はけっこうですが、公平に扱っていただきたいものです。



⑥昨年は受け入れ機関の不正が五年連続で増加、
 このうち団体監理型の監理団体による不正は32件、
 実習実施機関への監査を委託先企業に行わせていた不正事例も報告されています。
 実習生の失踪が激増し、昨年は5808人となっています。
 中には、監理団体による強制帰国を恐れて申告しなかったり、
 失踪することも少なくないと聞いております。

 伺いますが、外国人技能実習生が人権侵害を受け、やむを得ずに失踪する事件について、
 どのように対応されるのか、岩城法務大臣に伺います。


 近年、高い賃金を求めて失踪する事案が増加しておりますけれども、
 委員御指摘のような技能実習生に対する人権侵害等、
 受け入れ機関側の問題がある場合もあると認識をしております。

 現行制度におきましては、人権侵害を受け、やむを得ずに失踪したような場合につきまして、
 技能実習生が引き続き他の機関で技能実習を行うことを希望するときは、
 失踪した理由、新たな実習実施機関の受け入れ体制、当該技能実習生の在留状況等を踏まえ、
 個々の事案に応じて引き続き在留を認めるなど、適切に対応することとしております。

 本法案による今後の対応でありますが、技能実習法案におきましては、
 実習生に対する人権侵害行為の禁止規定や罰則を設けるほか、
 技能実習生からの相談の受け付け体制や、
 所定の受け入れ機関での技能実習を継続することが困難となった技能実習生の
 転籍を支援する体制を整備することとしております。


・・・引き続き在留を認める対応は、決して現行上でも適切には機能していません。
単純にその判断が遅い。
在留期限の更新が迫っている一カ月前、いや、手続き中の2週間前などに発覚した際には、
どうやって延長を認めるのでしょうか。
そして、法改正後の禁止規定、罰則などの具体案を早く確認したいものです。


⑦雇用主変更をこれまで許されずに、奴隷的とも言われるような状態になってきた。
 もう本当に人間としてどうしたらいいのかということまで追い込まれているわけなんです。
 (以下引き合いに出された事例)
 岐阜県で昨年八月、除草用に飼われていたヤギを盗み、食べたとして窃盗罪に問われた
 ベトナム人の被告は、外国人技能実習生として来日していた。
 日本では、毎日午前6時から翌午前2時まで働きながら、家賃として2万円が天引きされ、
 手取りは6万円程度。
 来日に必要だった150万円が返せなくなることを恐れ、我慢していたが、ついに逃げ出し、
 食べるものはなく、ヤギを盗んでしまった

 法案では、技能実習生が技能実習計画に疑問を持ち実習先を変更したい場合どうするのか


 技能実習開始後、技能実習生が技能実習計画に疑問を持って実習先の変更を希望する場合、
 新たに設けられる外国人技能実習機構に相談することができることとなっております。
 そして、例えば、実習実施者が明らかに指導力を欠いていたり、
 実習実施者による人権侵害や不正行為が行われたことにより
 実習の継続が困難と認められるような場合には、
 外国人技能実習機構は、実習先の変更を認め、
 新たな実習実施者が作成した技能実習計画を審査の上、
 認定することとなっております。
 

・・・引き合いに出された事例が極端すぎます。
こんな事例は現行上でも罰することは可能でしょう。
それよりも、もっと中途半端な事例の際に、どうすべきかを協議すべきだと思います。
実習計画はけっこうですが、その通りに実施できる受入企業なんてありません。苦笑
もちろんコンプライアンスは大事ですが、そんな非現実論を唱えるばかりではなく、
実習生が指示に従わない、遅刻が多い、周りとコミュニケーションを図らない、
日本語を覚えるといって覚えない・・・そんなときに、どうすべきかということです。

外国人技能実習生だけでなく、現行法のあまりに手厚すぎる労働者保護の観点からは、
ごね得モンスター従業員の量産化を進めるばかり。
おそらく正社員化を阻害しているのは、その保護法律であることを理解していないのでしょう。

話がそれましたが、転籍については昨日コメントした通り、
権利が発生したとしても、そう簡単な話ではありません。
現実を知る時間がかかり、また数年後に問題として提起されることでしょう。



⑦死亡事故について
 (また事例がいくつか出ていますが、長くなるので端折ります)

・・・色々言われていますが、そもそも騙したのが日本人ないしその監理団体であるならば、
監理団体が裁かれるべきであり、補償すべきと思います。
受入企業であれば、また同様ですし、これは監理団体にも責任があることと思います。

また、騙したのが送り出し機関側であった場合、私たちにはどうすることもできません。 
内政干渉でしかなく、契約の当事者にもなりえないからです。

この点は、民間(?)レベルでできることも限られますので、
国と国とで早々に対応いただけると助かります。

よく言われるのは、保証金を取る取らないの話ですね。


⑧寮費について

・・・これもまた、現行法上でも取り締まりはできます。
ちゃんと見てないからと、ズルする情けない輩が多いというだけ。
そして、これをちゃんと機能するだけの体制を整えるだけでしょう。



さすが共産党、労働者サイドの視点ばかり。
言ってることは十分理解できますが、一視点の一方的な物言いには
諸手を挙げて賛成は致しかねます。

今回の法改正は、確かに現状の問題を防止するための重要な事案ばかりですので、
現行よりもっと機能する体制を期待したいですね。
 

次回は、おおさか維新の会よりの質疑です。





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