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技能実習生受入時のありがちな不正行為とは。 [未だにルールを無視する企業と業者]

「不正行為」とは法務省入国管理局が、
外国人技能実習生の受入機関として、
『不適切』ととらえる行為です。

「不正行為」を行ったと認定された機関は、
規定に従い技能実習生の受入れが3年間(5年間)停止されます。

また、該当企業に在留する技能実習生は受入停止により実習不可能となるため、
同業同職種の受入先がない限り、強制帰国の途に就くことになります。
その経費や解雇手当など別箇に費用が発生します。



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以下、ありがちな例を具体的にあげます。


●技能実習計画との齟齬
 提出された技能実習生の雇用契約の内容と齟齬する技能実習が行われていた場合で、
 その齟齬の程度が申請の許否を左右する程度であった場合です。

 ある意味、これが一番多いのではないでしょうか。
 杓子定規なJITCOが示すガイドラインに沿って実習実施計画を策定いたしますが、
 現実的にはほぼその通りには実行されません、いやできません。
 ただし、ここにも悪質なのか、順守の意思があるのかで、大きく変わってきます。
 そして、この対象職種については根本的に、あまりに不公平に決められています。

 背景から制度上、その業界において共通項となる技能検定があるかどうかで、
 対象職種となるかどうかが決定されているからです。
 もちろん現実的に政治への影響力なども大きなポイントの一つです。
 ですから、建設業界と車業界を主とした機械、金属製造に広く門戸が開いています。



●名義貸し
 申請上の受入機関とは異なる機関で技能実習生を受入れている場合です。
 名義を借りた機関・貸した機関の双方が不正行為の対象となります。

 言うまでもなく違法ですね。



●その他虚偽文書の作成
 入国管理局等に対し、虚偽の内容の書面を提出した場合です。
 なお虚偽記載の内容が申請の許否を決する程度である場合が対象となります。

 そんな業務はないのに、さもあるかのように擬態偽装して
 無理やり対象職種に当てはめて3年ないし5年を通そうとする場合に
 多く見受けられます。
 現実的にはすべてを否定はしませんが、実際には実態に即して進めることが一番です。


●悪質な人権侵害
 暴行や監禁、旅券・外国人登録証明書の取上げ、賃金の不払いなど、
 その他悪質な人権侵害行為が行われていた場合です。

 ありえません。時代錯誤もいいとこです。
 恥ずかしい限りですので、一刻も早く消え去っていただきたいものです。


●報告義務違反・監査未実施
 技能実習生の失踪等問題事例が発生した事実を届け出ていなかった場合や、
 監査報告を怠っていた場合です。

 こちらも言うまでもなくですね。


●不法就労者の雇用・労働関係法規違反
 実習実施機関において、不法就労者を雇用していた場合や、
 技能実習生等に係る労働関係法規違反があった場合です。

 こちらは、在留カードや就労可能なビザなどに疎かったり、
 そもそも管理自体をしていない企業によくあるケースです。
 派遣社員といえども不法就労助長罪が適用されるケースもありますので、
 経営者のコンプライアンスの問題が問われています。


●再度の不正行為に準ずる行為
 「不正行為に準ずる行為」に認定され、改善策を提出した後、
 再度「不正行為に準ずる行為」を行った場合です。

 指導を受けていながら、改善できないのは、もってのほかです。

●二重契約
 入国管理局に提出された雇用契約とは異なる内容の契約が存在する場合です。

 たまに可哀そうだからと知り合いのお店でお小遣い稼ぎをさせてあげたりする
 経営者の方々がいらっしゃいますが、正に不正行為となりますので、
 良かれの親切心が仇になる可能性が高いため、お控え願うことが無難です。


コンプライアンスは現代において非常に重要です。
現場の現実ももちろんですが、本音と同時に建前に対するケアも
非常に大事なポイントです。


人手不足解消の一端を担うサービスとして、上手に制度活用すべきことを
お勧めいたします。


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